2019/11/13
【「悪い空気」と「空気が悪い」】
「エントラップトエアとエントレインドエアの違いが、いまいち分かりにくいです」
コンクリート技士試験を受験する同僚からの質問。
「どちらかを覚えてしまえばいいんですけどねぇ。
覚えたと思っても、あれ、どっちだっけ?てなっちゃうんですよ」
たしかに語感が近いので紛らわしい。
語感が近くても、コンクリートに及ぼすその効果は大きく異なる。
「エントレインドエア」→好ましい空気
・「連行空気」などとも呼ばれ、
・耐凍害性の向上、
・ワーカビリティの改善などにも寄与する。
「エントラップトエア」→好ましくない空気(悪い空気)
・「巻き込み空気」などとも呼ばれ、
・性状への好ましい影響はなく、
・製造上、やむを得ず入ってしまう空気。
「エントレインドエア:entrained air」
「エントラップトエア:entrapped air」
語源から確認してみると、あたまの接頭語「エン:en」は、前置詞の「イン:in」と似た意味を持つそうです。
「イン:in」→「~の中に」
「トレイン:train」→連続したものの意味(列車など)
「トラップ:trap」→罠にかける、閉じ込める
「エア:air」→空気
「トレイン」連続→連行された空気
「トラップ」罠→好ましくない空気
学習の一助になれば幸いです。
さて、コンクリート体積の5%程度は空気です。
意図して入れた空気と、意図せずとも入ってしまった空気が、一定量存在しています。
「悪い空気」と「空気が悪い」
どちらも一定量備えているのが「生コン」の現実。
NR試験室 二見