2019/11/18
【想定を超えろ!枠にはまるな!!そんな事ばかり、人には言うけれど】
サツマイモの葉っぱが変色しはじめたら、もうじき収穫時期。
同じ時期に、同じ土壌に、同じ苗を植えたとしても、決して同じ実は結ばない。
同環境に育てているのに、大きいものから小粒のものまで千差万別。
実りへの道のりは一日にして成らず。それは、イモも、生コンも(人間も)一緒。
今回たまたま、同じ日に、同じ配合、異なる4現場で、供試体を採取する機会があった。
同養生・同ロット・同気候でのサンプルを比較できることは珍しい。
28日強度の結果はというと...
呼び強度 24N/mm2において、各平均、26.6 28.0 29.1 26.1
みごとにバラついている。
ただこのバラつきも、工場としては想定の範囲内。
以下専門用語が続くので読み飛ばし可
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配合設計手順の則って分析すると、
「呼び強度 24」の場合、「配合強度」としては、30N/mm2に設定してある。
これに「標準偏差 2.4」を「2.5σ分」安全側にシフトすると、30±6 N/mm2(2.4×2.5=6.0)
これにより、98.8%の確率で、「呼び強度 24」を下回らない計算となる。
専門用語 終わり。
「呼び強度」「配合強度」「標準偏差σ(シグマ)」については、また別の機会に。
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つまりは、「呼び強度 24」だと最大限バラついても、
「24~36 N/mm2の範囲内」に収まるということ。
掘り出されたイモたちも、収穫後、市場の出荷規格で選別されるそうです。
等級(見た目)、階級(大きさ)、重量、などなど。
大きすぎるもの、小さいものなど規格から外れたものでも、
イモならば、規格外品としてネットで特売されたりしているのを目にします。
その点、生コンは受注生産一品モノ!
「規格外品特売卸し!」という訳には行かないのが厳しいところ。
いかに確率論で規格から外さないかを、常々計算して製造しています。
そのサンプル採取こそが、大雑把にいって試験室の業務なんですね。
NR試験室 二見