2019/12/24
【長篠の戦い・パーライト】
小学校の改修工事。
例の如く、土曜日しか打設ができない特殊案件。
代行試験の終わった生コン車へ、次から次へと、あるもの投入していた。
封を開ける者、それを上へ手渡す者、ステップから投入する者、それぞれが右往左往と動いている。
「これ、何で入れてるんですか?」監督に問うてみると、
「なるべく軽くしたいみたいなんだよねぇ。効果あるかどうかは別として...」
その動き、初めこそ、ぎこちなさが目立ったが、だんだんと息が合ってくる。
それにしても、一体どれだけ入れるんだろう...(10袋は下らない?)
投入も終盤になると彼らの動きは噛み合い、まるで歯車のように滑らかになっていた。
「開封・手渡し・投入」「開封・手渡し・投入」さながら「長篠の3段打ち」のようだ。
「弾込め・構え・打て」「弾込め・構え・打て」
当時最強と謳われた、武田の騎馬隊も殲滅!
詳細を聞いてみたところ、入れているのは「パーライト」
設計からの指示で、なるべく床を軽くしたいとのこと。
「パーライト」とは、
ガラス質の火山岩を加熱発泡させた多孔質の超軽量骨材、とのこと(webより)
メーカーのHPによると、1m3に対して、6袋入れる設定になっている。
ということは、2m3の生コンを積んでいたので、1車あたり12袋!
「えっ、これ結構な価格になっちゃうんじゃないんですか?」
「まぁね...」監督の返答は短い。
さすがに単価までは聞けなかったが、
・原材料が数10袋。
・職人が数人がかり、必死のパッチで投入。
・投入後は結構撹拌(8~10分らしい)
これだけでも、だいぶ手間のかかった生コン。
「でもねぇ、これでも軽くできるのは1/4くらいなんだよね」監督が言葉をつなぐ。
その「重さ」こそがメリットであり、デメリットでもあるコンクリート。
普通の生コン比重2.3に対して、パーライトコンの比重は1.6(webより)
「価格と性能」、本当に見合っているのかなぁ...なんてのは余計な心配。
誰にとっても設計の指示に逆らうことなんて、得策ではありませんもんね。
NR試験室 二見