2020/01/14
【水の中でコンクリートは何を考えているのか・水中コンクリート】
海岸突堤に型枠が設置されている。
半分海中、半分地上に打設するというオーダー。
今回注文されたのは、<水中コンクリート>
富配合、低水セメント比などなど、諸条件から<36-15-25BB>という設定となった。
「あれっ?今日は<水中不分離コン>じゃあないんですね?」
担当は、先日、水中不分離コンを打設した監督さん。
「勘弁してよ~。あんなの、ごくたまにで充分だからさぁ」
「えぇ、製造側も、同意見ですね、正直なところ...」
「ただ、ご要望さえあれば、いつでも対応しますのでお知らせください!」
「あれは単価がいいからなぁ!」「あの単価にはビビりますよねぇ」
ハハハ~!などと、ひとしきり会話を交わす。
ところで、<水中不分離性コンクリート>と<水中コンクリート>の違いはどこにあるのか?
そんな話題、こういう特殊コンを打っていると定期的に出てくる。
以前、同様の質問を、実験ばかりやっている練り場の長に聞いたことがある。
「まずねぇ、どちらも粘性が高い。そうしないと分離しちゃうからね」
「そして混和剤メーカーによっても、粘性に対するアプローチが違うんだよな」
「で、同じ粘性でもね、粉っぽい粘性と、薬っぽい粘性があるんだよ」etc.
彼の発言に、当時ものすごく納得したことを覚えている。
しかし当時は、それぞれのフレッシュ性状に触れる機会がなかったので、あくまで知識止まり。
ここにきて、短期間のうちに、両方に直に触れる機会に恵まれた。
そんな最中、彼の言葉が鮮明に頭に甦った...
「そうか、そういうことか、リリン!」
おぉ!知識が身体に定着する感覚。
言語化されてはいても、肚に落ちるのとは大いに異なる。
さて、自分でも数年かかって身に着いた感覚。どう伝えたものか思案中...
(つづく、かも)
NR試験室 二見