2020/01/18
【記録とは更新されるもの・みぞれ混じりの突風スランプ試験】
久々に記録を更新。
連日、方々で試験をしていると、記憶に刻まれるシーンに出会う。
・唐突な全車スランプ試験の要請
・「これ、軟らかくない?」と言われてからのスランプ試験
・設計・施主・現場代理人、皆が凝視する中でのスランプ試験、などなど
数多くの過酷な環境下。代行試験は外すことなく遂行される。
いつもその時分には、<もうこれ以上はないだろう!>と感じるのだが...
よい記録、またはそうでないものも含めて、<記録とは更新されるもの>
今回も、想い出深く脳裏に刻まれる試験を体験させてもらった。
「みぞれ混じりの突風スランプ試験」
今回は、前段から好ましくない状況が続き、記録への舞台は整った。
外気温0度!
標高が高いので、雨もみぞれへと変貌する。
「こんな気候の中、打設するのかね~?」
などとポンプ屋さんが話しているところに、決行が伝えられる。
試験道具を設置し終わると、
「ごめん、そこだと返しの邪魔になるから移動してくれる?」
「もっと早く気付けば良かったね、悪い悪い!」ポンプ屋さんに謝られてもねぇ。
そうして、雨に濡れながらせっかく張ったテントも、一旦回収して段取り替え...
移動した先で再度準備をしていると、今度は突風でテントが崩壊⁉
ツメは折れるは、ホネは歪むはで、こりゃ再起不能か。
こりゃダメだと、テントを縮めていると若手監督が走ってくる。
「すいません!試験はあっちでやってください」
指さす先は、屋外階段の下の部分。おぉ、ありがたい!
行ってみると、屋根があるのかと思いきや、あくまで階段下。
階段の隙間からポタポタと、冷たい雫が頬に刺さる...
さらには、ここは風の通り路。
異常に強い横風が、身体の体温を奪い続ける。
スランプコーンを設置しているだけで、白いみぞれがコーティング。
鉄板の上にも、みるみるシャーベットが出来上がっていくのであった。
凍てつく環境で何が困るかっていうと、指の自由が利かないこと。
・チョークを持つ手が握れない
・スマホも指紋を認証しない
・何しろ力が入らない、etc.
何だかんだと手こずりつつも、試験終了。
残った試料をポンプに戻す旅路でひと呼吸。
一輪車が地面に残す一本の轍と一人の足跡。
(あぁ、写真までぶれてしまうこの寒さ)
何はともあれ、久々の新記録が樹立された。
「2020オリンピック会場でのひと幕」がメモリーに加わった。
NR試験室 二見