2020/02/11
「生コンも土日休みにすべきだ!」は果たして正しいのか?(祝祭日・夜間よろこんで出荷します)
一部前向きな生コン工場では「祝祭日・夜間よろこんで出荷します」を常に標榜している。それは顧客ファーストの姿勢から。一方業界団体ではよくある議論「生コンも土日休みにすべきだ!」。その主張は果たして正しいのか?
https://www.nr-mix.co.jp/company/
生コンポータルでは「祝祭日・夜間よろこんで出荷します」
本日(2020/02/11)祝日でも生コンポータル(長岡さくら工場)は絶賛出荷中。
それは年度末に向けて繁忙期をむかえ調整が難航する建設現場のニーズに沿ったもの。
「困っている人がいる」
「求められている」
そのことは果たして業界秩序を乱すとして糾弾されるべきものだろうか。
この手の論旨は組合など業界団体では白眼視されがちであることを理解しつつも敢えて主張したい。
業界団体の性質として「業界・産業の地位向上」というのがあって、それは確かに大切なもの。
その延長線上に「たくさん休みたい」というのももちろん理屈では正しい。
働き方改革の時流にも乗っている。
一方、生コンという産業を冷静に考えた場合に忘れてはならないこともある。
「雨の日に生コン打設できない」
という現実だ。
ただでさえ流動的で調整の難しい建設現場。
建設現場で絶対に使われる半製品生コンが雨の日に施工できず次の日土曜日でした。
生コン産業はそのほかサービス産業と同じく「土曜日も休みます」となってしまったら。
建設現場に深刻な手待ちを発生させてしまうことになる。
「求められ」
「困ってる」
に対応することも産業としての責務ではないだろうか。
そうした背景を無視して(サラリーマン理事が自分が休みたいから)、
「土日を休みにすべきだ!」
と働き方改革を悪用して唱える。
そもそも産業とは時代とともに顧客ニーズに寄り添えるあり方を模索しなければならないはずだ。
コンビニは土日休んでるだろうか。
水の次に流通する生コン。
それでは、電気、水道は土日休んでるだろうか?
夜中になると止まったりするだろうか?
必要なのは個人にしわ寄せられない(属人的ではない)仕組み作り
出荷(配車)業務はあの人しかできない。
製造は〜〜さんが担当で他の人にはどれをどう触ったらいいかまるでわからない。
プラント点検も特定の誰かの領域。
こんなんじゃ、確かに土日・祝祭日も出荷しますとなればブラック企業ど真ん中だ。
とても参考になるのは岡山市に操業する白石建設。
すべての職員が生コン運営に関わるすべての技能を一通り習得している。
役割と人員の固定化されないシステム。
特定のある人はある日出社するとプラント点検業務をする。
翌日には出荷係として電話をとる。
そして、その翌日は経理業務に勤しんでいる。
そんな仕組み。
「生コンも土日休みにすべきだ!」
と自分たちの都合をまずいう前に、顧客ニーズを見詰めよう。
建設は常に流動的で工程管理に苦しんでいる。
絶対に使わなければならない半製品を鬻ぐ生コン産業がその他サービス産業と同様土日も休んでしまったら建設は止まる。
それは社会全体に対して悪影響を及ぼす。
土日はもちろん夜間・祝祭日も出荷します。
この姿勢を大切にしたいと思う。
宮本充也