長岡生コンクリート
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2020/03/03

【その者、カウントの達人ときく・ジャストタイム】

【その者、カウントの達人ときく・ジャストタイム】

ミキサー車は現場へ到着すると、その排出前に高速撹拌をする。
積載が生コンの場合、それは30秒と(だいたい)決められている。

(現場での代行試験の際には、JIS A1115にて、
「30秒高速撹拌した後に試料採取する」と謳ってある)

その30秒、きっちりと腕時計で計る人もいれば、言葉で算ずる人、
脳内時計で済ます人もいて、状況によってはまちまちとなる。

対して「流動化処理土」
こちらは生コンよりも、より液体に近く、強度も1/100程度で再掘削が可能なもの。

よって、現場到着時には、より長い時間の撹拌を要する。
概ね、90秒~120秒くらい。(これも性状により異なるが、規定はない)

この秒数だと、さすがに運転手さんの中でも腕時計派が増える。
では彼らの中で、腕時計をしていない人はどうするのか?

それは、身近にいる試験室の職員が計るんですね、一緒に。
(時には試験室職員でも、腕時計してない人もいますが...)

IMG_9522.jpg

「90秒 いきましょう!」
「1、2、3、..................88、89、90、はいOK!」

「今日のは120秒でお願いしま~す!」
「1、2、3、...........................118、119、120 で~す!」

などと、時間、作業の許す限りは、付き添ってお手伝いすることもある。
(身近にいない時には、運転手さんがしっかりと計ってくれています!)

さて先日、ミキサー車まで遠い位置で試験をしていた現場。
ミキサー車に付き添うことも出来ず、撹拌時間だけ伝えておいた。

そういえばあの運転手さん、腕時計をしていないよな、いつも。
高速撹拌は大きな音と共にはじまるので、距離が離れていても聞こえてくる。

耳でそれを聞きながら、腕時計へと目を向ける。
<...............118、119、120 ピタリ> おっスゴイ、ジャストタイム!

その日は何度も同じ車が往復をする大量打設。
その後も、2回目、3回目とジャストタイムをはじき出す。

ミキサー車も運転手さんも、打ち込み場所は足場の向こう。
遠目に眺めて見ても、彼が腕時計を見ている様子はない。

一体、どうやって計ってるんだ⁉
まさか、口で算じているのかな、120秒を?しかもこんなに正確に??

打設も終わるころ、試験も片付いて近くへと寄って眺める...
やはり120秒、ほぼほぼジャストで高速回転は止まった!

視線は虚空を漂い、口を動かしている様子もない。
こうなってくると、どうしてもそのカラクリが気になる!

「すごいですね。いつも120秒ぴったり。きっちり数えているんですか?」
打ち込みの合間に彼へと近付き、その真実の背景を聞いてみた。

運転手さんはこちらを向いて、ニヤリ。「知りたい?」
「知りたい!どうやって数えているんですか...?」

IMG_9520.jpg


ほら、あそこ。
示した指先は、ミキサー車のドラムとボディの隙間。

そこからは、現場の朝礼看板時計がチラリと見えているではないか!
「なぁんだ!」はっはっはっは~!共に笑いが漏れる。

何のことはない。
秒針がきっちり2周するのを見ていただけ。

勝手なこちら側の解釈。
謎でもないことを、でっち上げていただけだったとは...

「思い込みは推理を鈍らせる」たしか金田一耕助もそんなことを言っていたかな。
機転のいい運転手さんに恵まれていることに、感謝!

NR試験室 二見

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士