2020/04/02
「会計こそ自分たちの貢献を測定する唯一のものさし」評価制度について
生コンポータルでは「自分で自分を評価し自分で自分の報酬を決める」を導入して2年目を迎えている。混乱する現場。「会計こそ自分たちの貢献を測定する唯一のものさし」。食わず嫌いにならないでほしい。
どうやって自分の貢献を給料という金額に反映させたらいいの?
人は一般的に生まれてから死ぬまで評価にさらされる。
物心ついてからずっと義務教育を経て、高校、大学、その後社会人になっても、基本的には「正解」に対して答えを求められ、人は1位から100位まで順序づけられて生きてきた。
上位にはよりよい進路が開かれる。
下位には可能性がますます少なくなっていくようになる。
序列の中にいればまだしも、そこからはみ出た人はなかなかカムバックしづらい。
だから必死に学校や会社や先生や上司が要求する正解に対して努力をし続けてきた。
これはほとんど洗脳に近い囚われと言っていい。
「先生の言うことを聞きなさい」
「目上の人の言うことにはみみをかたむけなさい」
もちろんこうした意見には真理がある。
ただし、繰り返し繰り返しそうしたしつけをされてきた僕たちはそのような社会システムに対して「思考停止」に陥っていることも現実だと僕は思っている。
「あいつは能力もないくせに社長の前だけでへこへこしているから昇進した(いい給料を取っている)」
「今この会社で力を持っているのは人事の〜〜さんだ」
「〜〜さんの率いている派閥にいればいい評価が得られるはずだ」
人が人を評価することが物心ついたころから当たり前になっている社会では如上があたりまえに蔓延する。
ただ、冷静な人はそうした文化が組織を蝕むことを理解している。
いくら上司やルールに従順であったとしても、その組織が成果を生み出さなければ結果的に組織には未来はない。
つまり、ルールや上司に従順だったその個人にとっても未来はない。
ここから導き出される本質は「唯一絶対の評価者は市場と顧客」。
社会の公器たる組織(企業)は社会環境の変化に順応して変化して成果を生み出す。
その成果に対して社会は対価(お金)を支払う。
得られた対価は結果的に所属する個人の生活を支える給与に姿を変える。
評価は特定の個人の思い入れや好き嫌いであってはならない。
ましてや単なる最終的な責任者である社長の独断と偏見で決めるものではない。
唯一絶対の評価者たる市場と顧客が判断した組織の成果はどのように測られるべきなのだろうか。
会計こそ自分たちの貢献を測定する唯一のものさし
自分で自分の貢献を評価し自分で自分の報酬を決める。
ティール組織を機会として生コンポータルで導入された本制度。
代表取締役である僕は他人を評価しないしできない。
他人も僕を評価することはできない。
「好きとか嫌いとか」と「評価」は異なる。
中には正しい評価はあるかもしれないけれど、その評価はその人の主観でしかない。
また、報酬の算定に関して、その人の個人的(家庭の)事情は関係ない。
たまさか出費が増えるだとか、借金を背負ってしまった、といった事情もすべてはその個人が選んだ結果に過ぎない。
その事情を組織運営に関わる報酬の決定因子にする合理性はない。
市場と顧客からの冷徹なる成果に対する評価はまず売り上げと利益によって示される。
組織がいかに社会に対して貢献をしていると自認していたとしても、独りよがりは市場と顧客の判断には影響しない。
唯一影響を与える因子はその組織が実際に社会に対して生み出した貢献・成果のみ。
だから、会計に対して理解しない「会社の売り上げと利益は知らない」状態で自分で自分の評価をすることなどできない。
組織が得た売り上げと利益に対して自分の貢献を会計(KPI:Key Performance Indicatorを含む)を通じて説明する義務を負う。
それが自分で自分を評価し自分で自分の報酬を決めるということだ。
「会計なんか難しいよ!」食わず嫌いをするなかれ
会計とは、 1+1=2くらい単純なもの。
なにより、あなたも僕もすべてすでにやっていること。
なぜなら、多くのあなたや僕は破綻せず今も暮らしているはずだ。
家計も会計の一種。
その家計の源泉は企業会計に通じる。
その企業会計は結局社会全体の経済に通じる。
社会(市場と顧客)がどのように動いたかの結果が会計であって、その一部(家計)は自然に誰もが自らの領域で行なっている。
「会社の会計(儲かってるか儲かっていないか)なんて関係ないね」
なんてことは社会に参画している個人の姿勢ではない。
好む好まざるとに関わらずあなたも僕も会計に積極的に参加する義務があるといっても過言ではない。
食わず嫌いをするなかれ。
中には数字というだけで拒否反応を示す向きもあるかもしれないが実際は非常に単純な数字しか扱っていない。
自分の給料に興味がない人なんかいないはずだ。
ましてや自分の給料が上がることに興味のない人はいない。
会計を通じてまず自分の給料というものがどのようなルートを辿って自分のところに来ているのか。
それを理解することは仕事に対しての認識を飛躍的に変えてしまう。
もちろん、だからといって、僕はあなたに会計に興味を持ってもらうよう強制することはできない。
ただ、僕自身会計を知ることで人生の喜びや可能性が広がった経験を持っている。
仲間であるあなたがそんな素晴らしい人生の可能性を開けてくれることを僕は望んでいるだけだ。
もちろん、お金が全てではない。
ただ、たくさんお金を得てますます豊かな暮らしをする権利はあなたにも僕にもある。
宮本充也
※写真は https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/accounting-principles/ から引用