2016/05/12
「生コン屋の技術提案」蟻地獄にならないために
橋やらビルやら鉄塔やらインフラ沢山ある。
昔は「安く作る」提案をしたものが受注する仕組みだったが、
現在はコストはもちろんだけど、
「いいもの」→いかに革新的な技術を想像したか
に対して評価する→総合評価方式が採用されている。
このうねりは、人口が減り、創造から維持延命化にパラダイムシフトする中で、
さらに加速するんじゃないかと思っている。
そうゆう環境の中、生コン業の求められる姿は変化するのが自然。
これは悪口のように聞こえるかもしれないが、
僕は生コン組合のことを「蟻地獄のようだなあ」と感じることがある。
というのも、それぞれの地方ごとに組織されている生コン組合は、
自ら市場を創造するということではなく、
ひたすらその土地に需要が発生するのを、
「待っている」
大きいプロジェクトが現れると、支店業者と呼ばれるゼネコンは、
自らの技術力を武器に応札し、一番札が受注することになるのだが、
「受注したゼネコンは獲物」
生コンの原価がいくらだろうが、
品質がどうあろうが、
生コン組合が提示した
・金額
・工場
を買うことが義務付けられるケースがあるのだ。
こんなだから、基本的には生コン業界は閉鎖的。
新しい技術に進んで取り組もう
なんて発想になりづらく、
コストがかさむのなら
「ええい、しかたない、ゼネコンからふんだくれ」
とまではいかないが、それに近いことが起きていたりもする。
全てではないにしても、
ゼネコンの若き技術者はそうした仕組みにとても苦労し、
生コン工場の中にいる若き技術者も、その仕組みに自由を奪われている。
今、上述した産業構造に変化が起きようとしている。
これまでの不可能要因であった、
・地域
・枠組み
・資本構成
・業種区分
などを超越して、個人が自由に交流できるプラットフォームがある。
「どこに住んでいるか」
「どこが操業土地か」
が重要なパラダイムだったのに、
今や、
「どんな想いを持っていてどんなことができるのか」
がより上位のパラダイムになりつつあるのだ。
僕たちが参加している、
・GNN元気な生コンネットワーク
もそうだけど、
・ASJアーキテクツスタジオジャパン
・YDNやんちゃな土木ネットワーク
・その他同業者の垣根を越えた連携(コンクリート圧送業にもあるようだ)
が益々増えている。
これまでは、「同じ地域にいるから仲良くしとかなくちゃね」
だったのが、
これからは、「違う地域だし、好きな人とだけ仕事をしよう」
となっていく。
そんな時代に、
僕たち蟻地獄がひたすら待っていたら、
どうなるか?
自分自身を信じて、
自分が好きなことに集中して、
組める仲間と組む。
それができる時代に、僕たち生コン工場ができることは沢山あるはず。
蟻地獄の蟻が歩けるかどうか知らないけれど、
僕たちはとにかく歩いてみて、
本当に感動できるものに触れてみて、
それを自分のものにして、
「技術提案」
という形に昇華して、
きちんと社会貢献をする必要があると信じている。
宮本充也