2020/05/03
【岡山】「生コン屋さんは生コンだけを届ける会社ではありません」白石建設・砕石

岡山市に操業する白石建設(生コン工場)はとにかく顧客の視点に立った操業を徹底している。「道が狭く小運搬なので生コン屋さんに応援頼みました!」。もっと知ろう、生コンのこと。その活躍のフィールドは無限大だ。
生コン屋さんは生コンだけを届ける会社ではありません
ぱっと見ちょっと異様な光景。
生コン車から生コンならぬ砕石がガラガラと音を立てて排出されている。
搬入路が狭く小運搬となってしまうため、砕石を積んだ小型の生コン車がぞろぞろと侵入し仮置き場に材料をストック。
今回このアイディアはT-KENさんによるもの。
きっと生コン工場との日頃の緊密な協力関係がなければこうしたアイディアは生まれることはなかっただろう。
生コン車は特殊車両で、考え方次第ではいろんなものを運べます。
例えば、水。
生コンと同様流動体であるから、当然運べる。
現場で清掃用とか杭工事などなにかと大量の水は重宝するが、意外な調達先として生コン工場があることはそれほど知られていない。
また、生コンポータルでは以前「温泉」を地元のイベント会場までお届けしたことがある。
また、糸魚川大会では消火用の水利を提供したことでも一躍有名になった(出典:https://www.asahi.com/articles/ASJDW2TZMJDWUOHB002.html)。
有事の時にいの一番に必要とされる「水」だけじゃない。
生コン車と地元の子供達の綱引き大会は年に1回開催されている愛知の毛受建材の恒例イベントとなっている。
こちらは博多駅前の陥没自己で活躍した生コン車と手前ポンプ車。
緊急時の埋め戻し材料だって生コン車が運んでいる。
有事には通信インフラとしての無線網にも期待が寄せられている。
街中で特に目立つ存在の生コン車のドラムは広告媒体としても有用だ。
そして、もちろん。
今話題の透水性コンクリートだって生コン車に積まれて現場に届く。
それぞれの立ち位置からこうした生コン車を眺めてみるともっともっと利用方法はあるはずだ。
例えば、浚渫工事で発生するヘドロだって運べるはず。
砂や砂利だって運べる。
液体か、さらさらと排出できる個体ならなんだって運べる。
しかも、その生コン車は全国3200箇所に配備されている。
一大インフラとすることができる。
これだけの特殊物流が世界中にあるのだ。
この特殊物流インフラを生コンを運ぶだけに使うのは勿体無い。
ただ、こうしたアイディアはきっと生コン屋さんだけが自分本位で考えていても生まれない。
今回のように、日頃接点を持っている顧客や地元コミュニティ、関係者らとの良好な関係性がそうしたアイディアを自然発生的に生み出すものなのだと思う。
地場産業生コンはただただものづくりに没頭するだけでなく、もう少し開かれた視点で周囲の方々と接点を増やしていくべきなのだと思う。
宮本充也