2020/05/21
【岡山】地元の学校や施設にマスクや消毒液を配っている生コン工場
残コン研究やセミナーなどの用向きで訪ねた岡山市の白石建設(生コン製造)には大量のマスクと消毒液が配布用に堆く積まれていた。スタッフの皆さんはやりがいや誇りを持って会社で大量購入したそれらを地元の小学校やこども園に配布して回る。匿名での活動だったようだが僕はこれを誰かに伝えないわけにはいかない。
コロナ対策グッズを地元コミュニティーに配布する生コン工場
その日白石建設を訪ねるとテーブルの上に大量のマスクや消毒液が積まれてあった。
ようやく届いたコロナ対策グッズは白石建設のスタッフの皆さんの手により近隣の小中学校や施設に匿名で配られる。
業務の傍ら配布先を分担するスタッフの皆さんも「誰かに喜んでもらえる。ありがとうと言ってもらえる」その業務に誇りを持って取り組んでいた。
「すごく喜んでくれました。何度もありがとうって言ってくれてました」
嬉々として現場の状況を共有するある女性スタッフの声。
人に喜んでもらえることをする。
仕事の醍醐味だし、生コンという仕事のように地域に根差して何年も何十年も操業をする業態であれば地域との関係性は必至だ。
普段操業に伴う騒音などでご迷惑をおかけしているコミュニティにコロナ対策という形で御恩返しをする。
しかも、スタッフの皆さんは匿名でその任務を買って出ていた。
「でも、会社名バレちゃって社長によろしく伝えてって何度も頭下げられました(笑)」
そんな愉快な報告もあった。
なんと嬉しいことに生コンポータルにも白石建設さんから消毒液のお裾分けがあった。
この場をお借りして御礼申し上げます。
いつも誠にありがとうございます。
エゴではなく愛を届けるのがビジネスの本質
ビジネスというと「金儲け」とか「商い」として少し軽んじられる傾向はないだろうか。
確かに一部の企業やサービスは顧客利益ではなく自分たちの売り上げと利益を優先した活動を行っている。
いかに自分たちがやってることが立派か。
SNSやらHPでそんな情報をせっせと垂れ流す。
自分たちの活動を正当化する。
自己満足。
一方、白石建設さんのように名前を名乗らず嬉々としてスタッフの皆さんが手分けして近隣施設に貢献している姿もある。
たまたまその日僕が白石建設を訪ねたというだけその貢献を知った僕は許可も得ずその知られざる事実をブログで発信し伝えている。
僕がそこにいなかったとしたらきっとその貢献は発信されなかった。
それでも、白石建設さんスタッフの皆さんはきっと自分たちの仕事に誇りを持ったことだろう。
仕事、ビジネスの本質とは誰かに喜んでもらうこと。
ありがとうと言ってもらうこと。
本当に感謝され何度も頭を下げてもらう。
「見てもらう」「知ってもらう」
ことじゃない。
思いやりや真心を届ける。
エゴではなく愛を届けること。
僕も生コン工場に従事し情報発信をしている1人として感動せずにはいられなかった。
普段見出されづらい建設や生コン。
知ってもらうこと。
伝えることで、自分たちの貢献の分野を広げたい。
そんな想いで僕は情報発信に心血を注いでいる。
ただ、伝えるべきことってなんだろう。
自分たちが売り上げや利益を上げるために顧客に訴求すべき性能だったり価格だったりだろうか。
ともすると陥りがちな情報発信の罠。
偶然その日訪ねた白石建設さんで見かけたスタッフの皆さんの誇らしげな笑顔に触れて僕はとても大切なことに気づいた。
僕たちが伝えるべきことは、自分たちのことではなく、他人に喜んでもらえる「愛」や「思いやり」だ。
結果として売上や利益がもたらされる。
そして、その利益はさらなる手段として人々に愛を届けることになる。
白石建設という生コン工場に僕はビジネスの原則を見た。
宮本充也