2020/06/11
【道理と物理は、たまに異なり、たまに合わさる】
「この斜面、上から打つ?それとも下から?」
打設面が平らだとは限らない、舗装コンクリート。
この頃は、若手と連れ立ち、現場代行試験。
現場の雰囲気にも、だいぶ慣れてきたようだ。
「下からですかね」
数秒考えこんだ後、答えが返ってきた。
「じゃあ正解は、打設がはじまったら分かるよ」
ひとまず、試料を採取し試験を一式終わらせる。
そうして、打設が開始。
重機がホッパーを持ち上げ、ゆっくりと旋回。
斜面へと生コンを運ぶ。
さて、上・下どっちだ?
左官屋が指示したのは、
斜面の上の方。(予想通りで良かった...)
「はい、正解は上からでした。
さて、ではなぜ、上から打つのでしょう?」
「う~ん...、何でですかねぇ...」
「じゃあ、左官屋さんの動きを見てれば分かるよ、きっと」
ホッパーが、生コンを次々と運ぶ。
それを均等に均していく職人たち。
しばらく様子を見ていると、彼も気がついたようだ。
「あぁ、なるほど!そういうことですか」
スランプ8cm、固練りのコンクリートとはいえ、
斜面ではやはり、下方にダレるのが物の理。
「まぁ、姿勢とか、いろんな要素があるけれど、
こういう斜面は、上から打つのが一般的だねぇ」
そんな現場の豆知識。
知らなくたって、何とかなってしまうもの。
でも、知ってる方が、
少しは現場の理解につながるのではないかと、思っています。
(どうだろう...?)
(面倒くさいだけかな?)
NR試験室 二見