2020/09/28
【ハト小屋とは何ぞや?】
「本日の打設箇所には、何て書きますか?」
入社1年目の若手監督に問う。
「えっとぉ...、<屋上ハト小屋>でお願いします」
「ハト小屋ですか。了解です。<ハト>は片仮名でいいですか?」
そんなやり取りをしながら、黒板へと記入する。
「ところで<ハト小屋>って、正式名称なんですか?」
会話が止まる...
「あ、ちょっとぉ...、分かりません」
「え、それでいいんですか?」
問いを重ねるのも、意地悪からではない。
ごく稀に、<表記が違う>といって、
撮り直しを求められることもあったりする。
「そもそも<ハト小屋>って何ですか?」
「いや、それは...、ちょっとぉ...」
新米監督もタジタジなので、そのくらいで止めておく。
(ちなみに<ハト小屋>とは、平らな屋根面に配管を貫通するための小さな覆いのこと)
しばらく経ってから新米監督が戻ってきた。
「あの...、<ハト小屋>の表記はそのままでOKです。図面でもそう書かれていますので」
「ありがとうございます。調べたんですか?」
「ハイ、先輩に聞きました」(わざわざ聞きに行ったらしい)
「素晴らしいですね」「は、何がですか?」
「その、直ぐに聞く姿勢がです」「あ、ありがとうございます!」
<新社会人>
そんな初々しさを感じる、ひと幕でした。
NR試験室 二見