2020/10/04
《近くの【生】コンビニ》砂利・砂・セメント他《建設資材》を生コン屋さんで!
ホームセンターや建材店で目にすることができる、砂利・砂・セメント。「そういえば、これって生コン工場で全部手に入るよね」。これが着想のスタート地点だった。プロジェクト「近くの生コンビニ」。コンビニのように気軽に立ち寄ってプロ施工者向け製品を手に入れる。生コンをもっと身近に。
近くの《生》コンビニ
インターネットで見つけた一番安い袋詰めされた砂利(生コン用骨材)。
税込み238円。
「ホームセンターで買える砂利やセメントは安い」
誰もが信じて疑わないこの常識。
果たして本当に安いだろうか。
疑ってみる。
生コン工場。
その数全国に3200工場以上と言われる。
ホームセンターは全国に4,500店舗程度のようなので、「身近さ」という点ではどっこいどっこい。
(生コンは斜陽産業でありピーク時には5,000工場以上を数えた)。
生コン工場では日々原料として砂利や砂が100,000kg単位で消費されている。
ロットから考えれば原料メーカーからすれば太客だということがわかる。
ただし、それら原料はホームセンターでのように小売されるのではなくほぼ100%生コンに姿を変え建設現場に出荷される。
例えば生コン用骨材はt/3,000円で仕入れられている。
それだけ大量に消費するのだ。
日々何台、何十台ものダンプトラックで製造元から輸送されストックされる、砂利や砂。
ホームセンターで用いられる単位は「kg」に対して、生コン工場で用いられる単位は「t」。
1,000倍オーダーだ。
ごく一般的に生コン工場ではこうした原料、例えば「砂利」は1tあたり3,000円前後で仕入れられている。
つまり、kg換算すると3円/kg。
先ほどホームセンターで売られている砂利の金額と見比べてみると、
⚫︎ホームセンタ:238円/20kg
⚫︎生コン工場:60円/20kg
実に生コン工場で購入している砂利のほうが4分の1に止まっていることがわかる。
単位をずらすことで気づかされることは多い。
DIYerやプロ施工者にとっての《コンビニ》としての《生コン工場》
ホームセンターにあって生コン工場にないのは、
⚫︎小売
⚫︎BtoC
という文脈。
プロモーションも全然していないし、マーケティングなんかやったことないのが《生コン工場》となる。
では、その機能を何処かに委ねればいい。
「エクステリア資材販売日本一」
今やこうした冠をいただく企業はネット小売(EC)となっている。
エクスショップとは透水性コンクリート《ドライテック》についてすでに協業関係でもあり売れ行きも絶好調だ。
そのご縁を一般建設資材のDIYerあるいはプロ施工者向けの販売に応用する。
生コン工場は「近くて便利」な店舗の役割を果たす。
ネット小売企業はプロモーションとマーケティングの機能を果たす。
そのことで、BtoBはBtoCに変換される。
生コン工場がさながらホームセンターやコンビニのように一般により身近な存在になっていく。
そこではBtoCなのにBtoBの価格設定で製品を手にすることができる。
休みの日にDIYを決意して顧客は近くの生コンビニを訪ねる。
そこで、注文する。
「砂利10袋と砂10袋、それにセメント4袋ください」
顧客は支払いを済ませ(あるいはネット決済)、空の袋とスコップを渡されヤードで材料を積み込む。
建材店やホームセンターで見かける料金設定からすれば「バカみたいに安い」。
あるいは、ホームセンターでは軽トラックを貸してくれるサービスがある。
生コン工場で「生コン車を貸してくれるサービス」なんてのも面白いかもしれない。
製造された生コンを信じられないほど安く購入してDIYできるかもしれない。
夢は広がっていく。
あるいはメーカーの視点から眺めても近くの生コンビニは面白い。
これまで1袋ずつの配送で運賃負けしていた各種製品。
それらが運賃最安値の設定で生コン工場に配送することができる。
これまで建材店やホームセンターに散っていた顧客が生コン工場にも流入する。
砂、砂利、セメントを購入するついでに、ブロックやそのほか袋詰め製品などが売れていく。
メーカーにとってはこれまでに無い第3の流通だ。
「流通を選べる」
これはメーカーにとっては大きい利点だ。
生コン工場を新規流通の要衝と捉えるプロジェクト《近くの【生】コンビニ》
生コンを別の視点で捉え直してみる。
再定義してみる。
そのことで新しい市場と顧客が創造されそのことで世界をよりよくすることができるし、何よりも僕たち生コン工場の活躍のフィールドが広がっていく。
インターネットと企業間連携を通じてこれまで互いに分離されてきたラストワンマイルが有機的に結びつく。
改めて素晴らしい時代に仕事をしていることに感謝だ。
宮本充也