2021/02/13
「燃え広がれ!比嘉広正の火」南建工業・南洋土建
南洋土建の比嘉広正氏が他界して3年が経過しようとしている。沖縄の地にLSS(残渣式流動化処理土)を上陸させた激動の男の遺志は今新しい世代に受け継がれようとしている。本年4月1日より南洋土建グループの未来を背負う24歳比嘉さんの長男が、静岡県伊豆地方に操業する土建業正治組、そして生コンポータルで1年間勤務する。
蘇る、比嘉広正の炎
⚫︎参考記事: 「消すな!比嘉広正の火!!|流動性埋め戻し材」
1つのテーマ、職業を長年やっていれば、忘れられない人との関係性や別れの1つや2つは生まれるものだ。
まさに、台風のような人だった。
西南からやってきた比嘉さんは正治組、そして長岡生コンクリートを訪ねると即決で、「LSS(残渣式流動化処理土)をやろう」と宣言して帰っていった。
そこからたった2ヶ月で沖縄でLSSが出荷された経緯はまるで映画のストーリーのようで知る価値がある。
⚫︎参考記事2: 「侍たちのドラマ|沖縄LSS」
あれから3年の歳月が過ぎようとしている。
ご縁を繋いでくれた元南建工業の富永さんから連絡があった。
「故・広正専務の長男が家業を継ぐことになったんですが、充也さんのところで研修させてもらってもいいですか?」
元々美容師を志していた長男は偉大な父の死に臨み家業を盛り上げることを決意したという。
この申し出を断る理由はない。
「自分でコミットメントして、自分で自分の給料を決めてうちで働いてください。その方がきっと主体性が育まれるから」
やるからには腰掛けは許さない(無論、そのつもりだろうけれど)。
1年という限られた時間を精一杯学び、沖縄に戻ってからも南洋土建や南建工業はもちろん、沖縄、いや日本の建設産業を盛り上げるべく大活躍をしてもらいたい。
それくらいの心意気で1年間を駆け抜けてほしい。
現場で使用されず生コン工場に持ち戻された通称「残コン」は残コンステーションで改質され翌日から生コンや埋戻し材・路盤材などの原料として新たな役割を与えられる。
通常生コンプラントに貯蔵されていないような特殊骨材で生コンを製造する場合には補助グランドホッパーという設備系統に別途特殊骨材を投入しプラントに荷上げする。
高圧噴射される水すら流れ広がることなく直ちに吸収してしまうドライテック(透水性コンクリート)脅威の性能を動画でご覧ください。
4月1日に先立ち南建工業・南洋土建の玉木社長、花原常務がわざわざ沖縄からお越しいただいた。
お二人とも、偉大な広正さんの功績、その歴史をよく知る方々。
わざわざ沖縄から正治組の大矢さんや僕たちのような若輩のためにご挨拶とのことだった。
きっと僕たちにできることはそれほど大したことはないかもしれない。
教えるなんておこがましいことだとも思う。
意志のある人は他人に手取り足取り教わることなく自分で勝ち取っていく。
学ぶ。
僕たちもそうやって今のステージまで成長してきた。
きっと、この連続なんだと思う。
若い彼は紆余曲折あってきっと南洋土建と南建工業の道を選んだのだと思う。
そして、その企業はこれまで多くの人たちに支えられて現在を迎えている。
悲喜交交たくさんあったはずだ。
そして、それは正治組や長岡生コンクリートにも同様のことが言える。
それらは全て意識ある人々の交流を通して形取られてきた現実だ。
蘇る、比嘉広正の炎。
若い人に教えてる場合じゃない。
僕たちこそ、比嘉さんのように、他人に、更新に、刺激を提供できるよう、常に努力をしていたい。
まだまだ解決すべき課題は山積している。
今日も、明日も、意識ある人たちの炎は燃え広がり、より良い建設・生コン産業を創り上げていく。
消えたかに見えた炎が再び燃えひろがる未来が僕には見える。
安心して見守っておいてください。
比嘉さんにもできないほどの偉大な業績を後進は必ずや打ち立ててみせます。
宮本充也