2016/05/25
「コンクリートから人への贈り物」
世界に誇る富士山は老朽化が問題になっている。
もう一発噴火でも起きようものなら、
老朽化した富士山構造物が悲鳴を上げ、
どしゃーと土砂崩れになるのだろうか。
「法面崩壊対策」という専門用語があり、
土木工事で人が住む地域の「斜面」を安定させ、
もって暮らしの安全を守ろうという工事。
比較的安定した法面(斜面)であれば、
植生をして安定化を期待するが、
不安定な斜面にはやはりコンクリートの登場となる。
吹付け工という方法で、砂利の入っていない生コン→モルタルを法面に付着させる。
固まればまるで卵の殻のように、柔らかい中身が壊れないように守る。
そうゆう工法だ。
さて、ここからは妄想だが、
富士山の老朽化対策にこの法面崩壊対策をしたらどうなるか。
実は近い工事として定期的に「砂防堰堤工事」が国から発注されている。
砂地がさらさら侵食していくところを食い止めようということで、
毎年かなりの額の予算がついている。
外国からのお客さんの、
「初めて富士山を見る様子」
に立ち会った方はわかると思うが、
ものすごく驚く。
人はこんなに驚くのか、というくらい富士山を初めて見た方は驚いている。
それだけ富士山という山は普遍的な美しさをもっているのだろう。
それを守るために、モルタルを吹き付ける。
富士山の表面積は果たしてどのくらいだろうか?
https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q1162970651
なんと、調べている人がいるというのが、Yahoo知恵袋のすごいところ。
東京ドームでわかりやすく例えたつもりかもしれないが逆にわからなくなっている。
生コンというのは実に因果なもので、
確かに人々の暮らしの安全を守るために必要不可欠なのだが、
その材料を得るために自然を細らせる(砂利や石灰石の採取)。
「コンクリートから人へ」
生コンをひさぐ者としてはやはり少しでも人々のお役に立ちたい。
自然の恵みを利用してインフラに変換しているのだから、
できるだけ効率のいい効果の高い変換をしたい。
「富士山をモルタルで守る」
というのは悪趣味な妄想だが、
土間コンをポーラス(雷おこし状)コンクリートにするだとか、
今あるコンクリート構造物の寿命を少しでも伸ばすとか、
専門家としてできることはたくさんある。
このたくさんあるできることを、
必要としているところに適切にもっていくために、
今までの垂直統治型の構造ではなく、
新しい水平の脈というべきか、ちがった道を創り出したい。
今日も国際展示場でそんな価値の発信をしています。
宮本充也