長岡生コンクリート
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2016/06/02

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暴かれる生コンの実像「熱い夏が始まる」

暴かれる生コンの実像「熱い夏が始まる」

日本全国8工場(GNN元気な生コンネットワーク)が参加し、

大手ゼネコン12社の協力を得て、

暑中コンクリート対策製品メーカーを始め、

化学混和剤メーカーやセメントメーカーから

53名の協力を得て、昨夏600万データにも及ぶ暑中コンクリートの実態を暴く実験が行われた。

陣頭指揮にあたったのは数年来のパートナー寝屋川コンクリートの山路工場長

今までに知ることができなかった数多くの知見が暴かれるこの実験に誰もが関心を寄せた。


生コンクリートは夏に弱い。

素人目にも想像し易いが、「生で新鮮なうちに」をモットーとしているため、

海産物やらアツアツのピザと同じで時間の経過とともに品質が悪化していく中で、

「日本の夏」がもたらす高温は生コンクリートの大敵となる。

この運命に立ち向かうために、多くのメーカーが対策技術を市場に送り込んだ。

「暑中コンクリート対策技術」

各社その効用をそれぞれの論拠を用意してカタログ上に強調するものの、

「ところで、何が一番効果が高いの?」

に対する答えはこれまで用意されてこなかった。

なぜか?


生コンクリートは天然資源(山河を削って得る)をブレンドして建設現場で用いられる。

すべて天然由来のものであり、

0(はじまり)から100(完成)に至るまでのプロセスに変数があまりにも多い

のが特徴となる。

そして、特に影響を受けやすい搬送中のドラム(生コンを入れておく容器)の中はこれまで、

「ブラックボックス」

となっていたから、

「なにがどの数字にどうやって影響を与えているか」

なんて、知る由もなかった。

syotyuukon.jpg
IBB Probe(生コン性状検査端)を始め、8種類の計測デバイスが投入され、

東北から九州に至る8か所の工場でのデータが一元的に管理され、

数百立方メートルを超える生コンクリートが用いられたこの実験で、

いよいよ生コンの実像が明かされようとしている。

8月26日福岡で開催される建築学会の論文発表の場で示される。


こうした実験はこれまで不可能だったと思う、なぜなら、

・前向きな複数の生コン工場

・大手ゼネコンら研究者

・計測機械の提供

・多くの協力者

・製品の提供

etc

を一つの場にそろえようにも、その手立てがない。

オープンイノベーションという言葉があるが、

「解決できりゃ、その解決する人は誰だっていいじゃん」

という、法人や利権の垣根を超えた場所が、これまでなかったからだ。

単一企業・法人同士がその実力を競い合う場所→市場原理しかなかった。

とあるゼネコンの技術者がおっしゃっていたが、これを無理やりやろうとしたら、

「数千万、ことによると、数億円に及ぶ規模となるだろう」

だそうだ。


GNN元気な生コンネットワークは、「困ったの解決」「生き残る方法」を得るための、アライアンス。

生コン、ひいては建設全般の普遍的な問題に対して、解決策を提示するのは、

どこかの金と人を湯水のように利用できる大企業ではない。

困っている僕たち自身が「当事者意識を持って」連携する。

そして、暑中コンに対するソリューションは、どうやらその新しい場が方向性を見出した。


僕たち一人ひとりは、

・とんでもなくいい大学出てるわけでも

・生コンサラブレッドなわけでも

・お金たくさんあるわけでも

・めぐまれているわけでも

ない。

ただ、楽しさの中から、ソリューション解決に向けて目線をあわせて、手を携え合えば、

今まで僕たちには到底できなかったことでもできるようになる。

数年来のパートナーである山路さんや、その熱意に共感する大勢の「普通の人たち」を見ていると、


「もしかしたら、世の中にできないことなんてないかも」


なんて、そんな気にさせられる。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士