長岡生コンクリート
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2016/06/16

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「生コン業界と製品業界は仲が悪い?」ライバルからパートナーへ

「生コン業界と製品業界は仲が悪い?」ライバルからパートナーへ

仲たがいって、あまり生産的ではない。

愛し合って結婚したはずなのに、

別れるときはたがいをののしり合い、ひどい場合には裁判所にまで持ち込んで、

他人の裁判官や弁護士らの前で、口汚く互いの悪いところを主張し、

離婚が成立しても、双方に残るのはマイナス。

できるだけ「仲たがい」なんかせずに、円満に暮らしているほうがいいにきまっている。

別れるカップルがいる一方、円満に添い遂げるとても生産的な夫婦も実際は存在する。


コンクリートの業界を詳細に区分すると、

・生コン工場

・コンクリート製品工場

の2つがある。

世間一般的にいえば、「似たようなもん」だと思われるだろうが、

実は似て非なるものであって、場合によっては、

「仲たがい」

状態を起こしているとみることもできる。


両者のターゲットは当然、建設現場へのコンクリート販売となる。

片や生の状態で生コン車で納品するのに対して、

コンクリート製品工場は工場で成形までして「現場では組み立てるだけ」という状態にまでする、

という違いがある。

立方メートルごとの単価で比較すると、俄然生コンの合理性が光るが、

・工期短縮

・省人化

・大量生産大量ストックによる経済合理性の確保

などで、現場によっては、コンクリート製品工場で生産されるコンクリートのほうが、

現場に対してメリットを提供する場合がある。

つまり、

「建設現場という一人の女性に生コン屋と製品屋が言い寄っている状態」

とみることができる。


時代背景から見ても、現在は製品工場にアドバンテージが大きい。

・人口減少→職人不足→省人化が時代の要請

・現地で組み立てるだけ→人の手がかからない→省人(力)化

・すべて工場で完成まで管理されているため安定した品質

・工期が短縮できる

というメリットが、現代において光る。

更に、製品工場は生コン工場と違って地域を基盤とした協同販売(カルテル)がないため、

「がちで付加価値を評価される」

ので比較的営業努力をしている。

「スペック活動」

と呼ばれる営業活動として知られているが、発注機関などに対して直接アプローチをし、

現場で生コンクリートを打設した場合に比べて、

・工期

・トータルコスト

において、どれだけ優位性があるかをきちんとプレゼンするわけだから、

「カルテル万歳」

の生コン屋ではなかなか歯が立たず、

技術力・営業力両面で、「押され気味」になっている。

だから、

「生コン業界と製品業界は仲たがい状態」

という建設業界における認識が成り立つが、

昨年11月に、

「ところで本当に仲が悪いの?シナジー創れないの?」

という問いかけを、日本コンクリート技術主催の勉強会でPD(パネルディスカッション)形式で業界に投げかけた。


冒頭の問に戻るが、

「仲たがいしていないで、できれば力をあわせていれば、いいにきまっている」

というやつである。

確かに一つの建設現場で発生するニーズ単体でみると、

両者の利益には相反関係が発生し、競合関係はつまり「ゼロサムゲーム」となる。

ただ、視点を広げ社会全体のニーズで考えた場合、

・防災

・復興

・省人(力)化

・迅速施工

・ICT

・IoT

など、時代のトレンドや時代の要請に対しての抽象的なテーマで考えた場合は、

仲たがいしののしり合うのではなく、互いの強みと弱みを相互補完し合う、

相互依存関係→シナジーの創造

が成り立つのではないだろうか。

防災を例にとってみても、有事の際にはどちらも必要となり、

生コン業にしかない価値、製品工場にしかない価値、それぞれが役に立つはずである。

さらに言えば、建築の技術の方が上だとか、土木がやっぱりしっかりしているだとか、

業界同士の「仲たがい」もあんまり意味ない。


高度経済成長を経験したことのない若手技術者や経営者の僕たちは、

競い奪い合うというパラダイムよりも、どちらかというと、

「補完し合い高め合う」

というパラダイムの方がしっくりくる。

今年も日本コンクリート技術の篠田社長から、

「生コンと製品、建築と土木のコラボ考えてみようよ」

という素敵な投げかけがGNN元気な生コンネットワークにあった

(今後どのような形で具現化するかは検討課題です)

なかなか出会う機会のないコンクリート製品工場の技術者と交流できる素敵な機会になればと思っている。

チーム日本で考えれば、生コンも製品もない。

互いに力をあわせて、日本をいい国にしていかなくてはならないパートナーだ。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士