2016/06/22
「生コンだけやってたら頭悪くなるぞ」シナジーを教えてくれた人
やればやるほどいい企画だと実感する。
「50周年になにやろうか?」
・人集めて盛大に宴会ってのも今時あれだし、
・祈念式典呼ばれる側も嫌な人いるだろうし
・旅行ってのも、逆にお客様に迷惑かけるし、
てなことで決まった、
「50周年記念誌 NR Times10周年記念特別号」
こちらの理屈で歴史をああだこうだと綴ったりしたところで、
「きっと読まれず本棚の肥やし」
が関の山であれば、有限な紙資源がもったいないので、
僕たちはさておき、
「僕たちを見守ってくれている大切な人たちからのコメント」
でつづろうということになった。
記念誌そのものよりも、この作業を通して、
「いかに知らないうちに周りの人たちに支えられそしてその連続が長岡生コンか」
という、本当に当たり前なのに忘れてしまいがちな大切なことに気づかされることになった。
野村商店の橋本会長(お目にかかった当時は常務)にも、コメントをお願いした。
僕はこの人に、
「シナジーを教えてもらった」
と思っている。
その後の人生、1+1=2以上になるということを多くの局面で実感することになったが、
職業人生で初めてのシナジーは、橋本さんから教わった。
僕たちの工場は、「長岡さくら工場」という名前を冠しているが、
12年前のある日、橋本さんがやにわに、
「さくらは閉めるので、長岡でさくらの生コン練ってくれ」
と持ち掛けられたのがきっかけ。
その後、平成16年3月20日から、1工場で2工場分の出荷をすることになり、
・固定費
は、2工場分を1工場で生産するため薄まる効果、だけでなく、
・情報共有
・人の共有
・もの(車両や設備)の共有
などで得られた相乗効果は計り知れなかった。
今のぼくがあるのは橋本さんの英断のおかげです。
そんな橋本さんの当時の口癖、
「生コンだけやってたら頭悪くなるぞ」
装置産業であり、組合でがんじがらめ、なにもかもがセメントメーカーがおぜん立て。
そんな、いい若いものが、1年を通して同じことばかりをやっているようでは、
「頭悪くなるぞ」
今は笑い話としてことあるごとに持ち出されるが、
当時のぼくは「生コンしかやっていない」ずばりそんな青年だったため、
ものすごく悔しくて悔しくてしかたなくて、
それが新規事業のきっかけになったのも、橋本さんのおかげです。
50年の歳月は、そんな人と人との悲喜こもごもの連続だとは分かっていても、
どうしても毎日僕たちを追いかけてくる仕事に振り回されて大切なことを忘れてしまう。
50周年記念誌事業は忘れてはならない大切なことを思い出させてくれ、
そして完成した暁にはこれから何十年も長岡生コンにいる人々を、
力強く鼓舞してくれるものになるに違いない。
宮本充也