2016/08/06
「生コンとは」知られてなんぼ
一般にあまり知られていないことだけれど、
生コンは化学反応によって固まっている。
固まるもののには大きく2つある。
セメント系または樹脂系
樹脂系はつまりボンドで、これは水が抜けることで固まるから、
乾いたら固まる。
セメント系の代表選手である生コンは、乾いたら固まらない。
これは一般には意外なのではないか?
かくいう僕ですら生コン業につくまでは「乾いたら固まる」と考えていた。
土間コンに猫の足の形が残ってたりすると、「乾く前に歩いちゃったんだな」と。
生コンが固まる理屈は、水和反応という化学反応に裏付けられている。
化学反応と言えば、少しかっこいいのではないか?
・乾いて固まる→ださい
・化学反応により固まる→かっこいい
これは僕だけだろうか?
最初に、「化学反応で固まる」と知ったとき、少し僕はうれしかった。
さておき、水和反応により硬化する性質を持つ生コンなわけだから、
水の管理はとても重要となる。
「水セメント比」
という言葉があって、つまりセメントに対して水が多かったり少なかったりすることが、
生コンクリートの諸物性(特に強度または耐久性)を決定づける大切な要因。
(生)コンクリートとは?
・あなたが住んでいる家の基礎(または躯体に使われることもある)
・仕事をしている会社の社屋
または、
・人が住んでいないところのたいていの基礎→橋・構造物・港湾・隧道
などに利用されている。
実はあまり見えないから気づかないけどとても身近な存在。
そのコンクリートは水を多ければ品質が下がり、
水を減らせば減らすほど品質が上がる。
水和反応(化学反応)に使われなかった水はつまりコンクリート内部で余剰部分となり、
蒸発してしまえばその部分は疎・空隙として残るわけだから、
疎や空隙が多いコンクリートの品質はよくない。
なんとなく想像がつくと思う。
生コンポータルサイト
IT戦略を標榜し、自社WEBサイトの体裁を撤廃して、「生コン」という名前のホームページにした。
非常に身近で重要な資材でありながら、「コンクリートから人へ」という不遇をかこった歴史もある産業。
これはきっと僕たちが世間一般に価値を適正に伝えてこなかったからだと思う。
身近にもしコンクリートや生コン・セメントに関係する人がいたら、ぜひ生コンに関して質問してみるといい。
プロは多かれ少なかれ、自分の職業または専門分野について語ることに喜びを感じているから、
快く説明してくれるだろうし、そんなときの目はきっと輝いているだろう。
セメント新聞https://www.cement.co.jp/とかコンクリート新聞https://www.cement.co.jp/って、一般の人は読んだことあるだろうか?
おそらくないだろう。
この素晴らしき新聞社2社を含む建設系新聞社に、生コンポータルサイトにニュース提供を依頼した。
協力してくれるだろう。
生コンクリートは産業界内部だけで自己満足していればいいもんではない。
きちんと価値を世間一般に発信し、しっかりと理解されることで、社会貢献ができる。
「生ニュース」
というカテゴリで、
「世間に全然知られていない生コン」
を
「少しは理解される生コン」に変えていけたらと思う。
やるもやらないも僕たち当事者次第。
宮本充也