長岡生コンクリート
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2016/09/06

「おやじのこだわりと意地とロマン」2個1集約化

「おやじのこだわりと意地とロマン」2個1集約化

合理化という言葉と最適化という言葉がある。

どちらも似たような言葉のようだけれど、

合理化に対して僕はあまりいいイメージを持っていない。

生産性や効率をとことんつき詰めていった先には、

人間的でない、情緒を排除した、とても無味乾燥のフレームだけが残るような、

合理化という言葉に、僕はそのようなイメージを持っている。

僕たちは人間でありロボットではないから、効率だけで生きていけるわけはない。

人間である以上感情をもっているから、人としての在り方がまず最初にあって、

その上で仕事を通して自己実現を果たし幸福を得るための各種ルールがあるべき。

「父親の厳しい躾の前に、母親の無償の愛」

が、赤子には必要なように。


今日は静岡県内の志太榛原生コン協同組合さんに集約化をテーマに招かれている。


「集約化→2個1」などといって、


僕たち生コン産業では今大きなテーマとなっている。

ピーク5,000工場を全国に数え、現在その多くは自然減で3,400工場。

ポスト2020の日本経済を臨みさらに1,000工場以上が減少するといわれている。

人一人当たりの生コン使用量が1立方メートルと言われているのだから、

これはいかに厳しい業界環境かは想像に易い。

そんなアゲインストを踏まえ、

「単に椅子が減ったので、座れなくなりました」

なんて芸のないことをやってしまっては人間の尊厳や英知をまるで無視してしまう。

僕たちは主体性を持った人間なのだから、その環境に対しても新たな形を創造し、

新しい時代の新しい生コン業を展望していくことが求められる。


その一つが2個1集約化、となる。

同じような業界として、道路業界とアスファルト合材プラントが挙げられる。

経済縮小に転じて生コン業はなかなか抜本的な集約を推進できないのをしり目に、

アスファルト合材プラントは大胆に工場数を恣意的に減らしていった。

合併につぐ合併である。

これは以前にも紹介したが、生コン業に比べて道路・合材プラントは、

大手資本傘下

であるということが大きな差異として挙げられる。

つまり、生コン屋は零細企業であり家内工業的で、


「おやじのこだわりと意地とロマン」


が操業のエンジンになっている場合がとても多いことが、

集約を遅らせる大きな要因になっていると考えられる。

「昨日までの商売敵と、ある夜を境にがっちり組めるか?!」

とある最大の要因。


そうはいっても望みはないことはない。

有名な例としてはGNNでもお世話になっている、

炭平コーポレーションの鷲澤社長が住数年前に断行した長野県内の集約化。

「自らの工場を閉鎖する」

を大前提に各方面と交渉を進め着実に工場数を減らしていき地区内業界に秩序と平安を齎した。

当該地区にもはや過去にあったような需要は望むべくもない。

つまり、僕たち生コン工場自信が変化しなくてはならない。


高台から街を眺めると人々の営みがとても小さく感じることがある。

神様がいたとして、

つまらない意地やこだわりが邪魔をして成立しない2個1集約化。

とても不合理に感じるだろうし、ばかばかしくすらもあるだろう。

とても矛盾しているようだけど、僕はあえてそこを大切にすべきだと思っている。

こだわりと意地とロマンのないビジネスなんか絵に描いた餅だと思うからだ。

信じた道をひたすら形にする努力を仮に「合理化」が嗤うのだとしたら、

そんな合理化は捨ててしまった方がいいと思う。

僕が12年前にはじめて、今に至るまで経験している2個1集約化は、

そんな表層的なものじゃなかった。

もちろん、儲かったほうがいいに決まっている。

だけど、創業時の経営者の想いや、勤めている人たちの気持ち、

それを無視した2個1集約化は絶対に破たんする。

エンジンがないのだから、惰性が尽きればそこで止まることになる。

2個1集約化で最も大切なのは、情緒・人間関係・信頼関係、

相手を思いやる気持ち。

家庭生活や仕事・コミュニティでも全く同じことだけれど、

これからの生コン業において求められるのは、やはり同じく普遍的価値、

相手を思いやり相手のためになることを真剣に考えて、

太らせた人間関係がベースになっている必要がある。


志太榛原生コン協組さんから与えていただいたせっかくのチャンス、

僕がそんな風に感じていることをできるだけ親身に理解していただけるように、

しっかりとお伝えできればと思っている。

そして、こだわりと意地とロマンが尊重されるような、

そんな素晴らしい2個1集約化が日本全国に波として広がっていくことが望みだ。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士