2016/09/16
「生コン業の内勤(事務・配車・経理)という仕事」
生コンクリートの利益率が例えば5%だったとしよう。
生コンの単価が仮に10,000円(立方メートル)だったとして、
宮本建設という会社に100立方メートル販売したとする。
宮本建設の宮本社長はギャンブルにはまり倒していて、
支払に回すべき100×10,000=100万円に手を付けちゃったとしよう。
「お支払い期日になってたかと思いますけど・・」
生コン屋とすりゃ、入金がないわけだから当然電話する。
宮本社長は、使っちゃってるわけだから、
「あ?今日だっけ?」
なんてすっとぼける。
1か月、2か月、3か月経ち、電話に出なくなる。
行方をくらます宮本社長。
単純に生コンの「売上100万円が消失」する、ということではない。
このことは、「100万円の赤字」が生まれることを意味する。
売上を創る仕事はとても積極的・能動的なので、なんとなく花形だし、
営業マンも焦げ付きを作っても、
「100万くらいいいじゃねえか、来月800m3の案件決まってっからさ!」
と息巻く。
なんとなく道理が立っているように見えるが、実はまったく道理が立ってない。
冒頭にも書いたけれど、利益率が仮に5%だったとすると、
「100万円の利益を会社に残すためには生コン(10,000円)を一体どれだけ売らなければならないか?」
お察しのとおり、5%だから20倍売らなければならない。
つまり、
1,000,000円×20=20,000,000→2000m3
100万円を残すためには、
2,000m3を売り切って「回収」して
ようやくトントンとなる。
営業(セールス)
は常に人目に触れている。
会社にとっての入口に当たるわけだし、常にさらされていて、良くも悪くも華々しい。
一方、バックオフィス(内勤)はどうだろうか?
外部との折衝はほぼ丸一日ないだろう。
あったとしても電話受付程度。
または、お茶くみ、とか?
まとめるものは帳票の類とか、生コン屋の場合だと出荷対応(配車)などがある。
一般的に、彼らは
「売り上げを創らない」
と認識されがち。
社長や経営層は、なんとなく売上作ってくる人の方を重用してしまう、
なんとなく、「客持ってる」イメージがあるから・・・
勢い社長の目はバックオフィスに向けられる事が少なくなり、
バックオフィスも、なんとなく売り上げに貢献していない感じがあって、
卑屈
になってしまう。
生コン屋に限らず、あるあるではないだろうか?
本日開催されているGNN元気な生コンネットワークのワークショップお題は、
「バックオフィス・配車大会」
冒頭で書いたが、100万の利益を残すには、
2000万の売上
が必要。
「利益×20=売上」
という関係が成り立つ。
例えば経理担当の女性がインターネットで色々調べて、
「毎月の購入品35万円かかっていたものが30万円にすることができました」
となったとする。
5万円利益残せたね、やったじゃん。
ということなのだが、あまり「ぴん」とこないのではないか?
ただ、先ほどの公式「利益×20=売上」に当てはめてみると、
「5万×20=100万円」
つまり、その女性(仮に育代さんとしよう)はなんと、
「100立方メートルの生コンを売って回収した」
ことになる。
これってすごくないだろうか?
今回のワークショップの主題は、
日ごろ外部との接点がない内勤の方たちが一堂に会し、
「こうやると、儲かるよ」
の共有、つまり、「コスト削減あるある」の討論と併せて、
いかにバックオフィスが会社に貢献しているかをきちんと理解してもらう。
「社長、営業ばかり褒めてないで、こっちもきちんと見なさい」
である。
つまり、内勤・バックオフィス・配車→営業じゃない人全部
売上に貢献しているという大前提をまず理解した上で、
公平に生コン業に貢献していくための取り組みにしていこうという試みとなる。
今日から明日にかけても、
地域・枠組みを超えた連携が生み出す、
「新しい生コン業の創造」
のワークショップから目がなせない。
宮本充也