2016/09/17
「売上を創れないから大切なもの」生コン屋のバックオフィス(管理)
利益には5つある。
①売上総利益
②営業利益★
③経常利益
④税引き前利益
⑤当期利益
今日もGNNワークショップ「バックオフィス大会」を開催している。
生コン会社の場合、決算(BS・PL)はほぼほぼ経営者マターで、
たとえば、
・土地(遊休資産)の売り買い
・銀行交渉(金利折衝)
・主要仕入れ原材料単価交渉
・税金の計算
など、財務や、他にも人事評定や労務管理となる。
これらは上記のどこに関わっているかを示すと、
・土地の売り買い ④
・銀行交渉(金利折衝) ③
・主要仕入れ原材料単価交渉 ①
・税金の計算 ⑤
となっている。
一つ一つの意思決定が結構「重い」ため、
生コン工場の場合ここは経営者が担当する。
逆に生コン工場の一般従業員さんが、
「この土地できるだけ高く売ってきて」
といわれても、かなり「いや、ちょっと」だろう。
ましてや、普段試験室やっている人に、
「3000万銀行から低金利で調達してこい」
っていっても、「スランプコーン持っていけばいいですか?」ということになる。
規模もあまり大きくないため、生コン業態はざっとこんな感じで帳簿的には運用されており、
バックオフィスの大半は経営者が責任をもって仕事をしている。
唯一、
②営業利益
にかかわる費用、専門的に言うと、
「一般管理販売費(販管費)」
が「一般従業員も参画」している分野になると思う。
生コン屋で言うところの、「一般管理販売費」とは、
・お客さんにめちゃくちゃ叱られまくったときのまんじゅう代→接待交際費
・集客のためのまんじゅう代→広告宣伝費
・遠方からのお客様との飲食費→会議費・接待交際費
・事務所で使う赤ペンとかコピー用紙とか→事務消耗品費
・残業代など給与→人件費
ETC
となる。
生コン業の売上は、自分たちで創り上げることができない。
どんだけ、
・一流大学を出てMBA取得してたりしても
・IQが尋常じゃないくらい高かったとしても
・ビジネスに精通していたとしても
生コンの売上は創れない、つまり、
「ビルや橋が計画されてようやく必要とされる」
そんな、業態だから、実はバックオフィスがになっている役割というのはとても大きい。
ぶっちゃけ言ってしまえば、
「生コン屋で凄い営業マンなんかいない」
だって、その人がいてもいなくても、橋やビルが建つから。
組合に加盟でもしていようもんなら基本的に営業マンがやる仕事なんかない。
口開けて待ってりゃ入ってくるわけだから。
そうなると相対的に会社の利益を創造する上で重要になってくるのは、
「バックオフィス(管理)」
となる。
昨日も書いたことだけど、会社の利益率が仮に5%とするならば、
「利益×20=売上」
という公式が成り立つわけで、
バックオフィスが気合入れて調査しまくって合い見積もりを取って死にもの狂いで圧縮した、
10万円
の利益は売上換算すると、
10×20=200万円の価値を産み出していることになる。
組合にいっている営業マンがもし工場で偉そうに、
「俺がお前らを食わせてやってんだ」
的な顔をしていたとしたら、ぜひ言ってやってください。
「割決もらってるだけでしょ?僕たち私たちはかくかくしかじかで売上貢献しています。暇そうだからちょっと手伝って」
って。
自分たちで売り上げを創り出すことができない業態だからこそ貴重な、
「バックオフィス」
一般販売管理費を担当する生コン工場の人たち
そういった前提をみんなで共有することができ、
そしてすなわち「役に立っていることを改めて知ること」により、
その場にいる人達のモチベーションが湧き上がっていく様子を見ることができた。
生コン工場経営って素晴らしい。
宮本充也