2016/09/28
「生コンとは」新しい時代の新しい生コン流通
考えてみれば毎日毎日ブログを書いているけれど、
応用系というか周辺関連情報というかについてばかり紹介し、
生コンブログを標榜している割に、
まんま生コンについて書くことが少ない。
ということに気づいた。
毎日、1~2編のブログを更新しており、半年以上が経過している。
たとえば、3年経過したとすると、量の面だけ取り上げれば、
「かなり膨大な生コン関連ライブラリ」
になる。
ちょっと理想を語っちゃう感じになっちゃうけど、
生コンに興味を持った人あるいは、生コンを学ぼうとした人にとって、
当WEBサイトが「生コン入門」「生コン入口」的な存在になることを創造すると、
生コンを浴びたくなるほどうれしい。
さて、生コン。
一般には直接の関係がない製品であるため普段意識されることはなかろう。
・スマホ
・野菜
・肉
・雑誌
などは、実際に自らの手で購入されるから、何となく一般にも流通形態がイメージされやすい。
ここでは、
「生コンて一体どのように流通してるの?」
という観点で、生コンの流通の在り方を紹介したいと思う。
興味ある人も、無い人も、どうか今日一日が幸せいっぱい夢いっぱいでありますように。
生コン。
購入単位は、「㎥」立方メートルとなっている。
主な需要家は建設会社(工務店・土木業者)となっている。
「○月×日△時に、どこそこの現場に5.5㎥持ってきて」
こんな感じで注文される。
ただ、需要家が直接生コン工場と取引するケースはまれであり、
例えば全国に支店を置く大手ゼネコンの購入の仕方は下記の通りになっている。
まずは、建設会社がとある建設現場を応札の上落札するところから始まる。
・建設会社の購買担当(購買部長・調達・積算などと言われる)が、仕入先商社(販売店)に連絡をして、「○○の現場うちが落札したよ♪」
・当該ゼネコンに口座を持つ生コン・セメント系商社(販売店)が購買担当者を訪ねて現場の規模や数量、工期などの情報をヒアリングする
・販売店はその後当該現場の位置する地区にある生コン協同組合(またはアウト工場)に連絡をして、価格交渉と工場選定についてネゴする
・生コン組合から提示された価格(または希望工場)の情報を購買担当者に伝える(口銭と呼ばれるマージンが商社の利益)
・購買担当者は通常数社の販売店に声をかけ、価格や工事現場までの距離などから提示された条件を吟味して取引をする生コン工場を決める
・生コン納入が始まる
こんな感じとなっている。
ゼネコンからすれば、あちこちで発生する建設現場ごとにいちいち生コン工場と信頼関係を築けない。
だから、普段から全国区で生コンの条件提示をしてくれる大手販売店から購入するようになっている。
そして、理由はこれだけではなく、全国に星の数ほど(3,400工場以上)あるいちいちの生コン工場から、
直接仕入れてその生コンにもし万が一瑕疵があった場合、つまり仕入先与信を担保しなければならないため、
ある程度の業容で全国展開をする生コン・セメント商社からの仕入れを立てることにより、
万が一の場合の保証としているという側面もある。
つまり、どこぞの生コン屋が近くでなんちゃら建設のどでかい現場が出たからと言って、
「どうも、長岡生コンの宮本です。生コン買ってください」
なんて飛び込んでみたところで、「は?」とあきれられる流通構造となっている。
「うちは、○○商事さんや××建材さんと取引してるんで、そちら当たってみたら?」
である。
商流をフローで示すと、
発注者→ゼネコン→商社(2~3等複層化する場合がほとんど)→生コン協組→生コン工場
という、縦型の脈で生コンの商流は組まれているため、なかなか自由がきかない。
ヒエラルキーで最下層に位置する生コン工場も力関係で弱者となるため、
上位団体である生コン協組に所属するか、アウト工場といって非加盟の状態で商うか、
二者択一でとても広がりのない自由度の低い業態となっている。
と、まあ、たんたんと生コンの流通について解説してみた。
たまにはこんなんもいいだろう。
毎日書いていると色々な機嫌やコンディションの時があるから、
毎度毎度肩ひじ張って気合の入ったブログなどそうそう難しい。
こんな生コン流通構造であるが、人口減少・経済低迷の環境の中、
少しずつ違う流通形態もあってもいいんじゃないの?
例えば、B to C(直接施主さんに提案する)とか、結構夢想したりする。
ヤクルトレディーがきこきこ自転車でヤクルトを売りにくるように、
生コンが500mlくらいのびんに乾いた状態ではいってて、
ヤクルトのおばさん(お姉さん)がその場で水入れてくるくるミキサーで練り落とす。
それを、さあてDIYでもするかね、と張り切っているおじさんが、
美人のお姉さんの前で少し照れながらスコップをふるう。
そんな牧歌的な生コン流通。
それはそれ冗談としても、
GNN元気な生コンネットワークの出現により、
少しずつこれまでにない流通脈が生まれようとしているのも事実。
形は機能に従うという金言もあるように、
新しい時代の新しい生コン流通の在り方。
僕たちがその当事者であれるよう、日々努力を怠らないようにしたいものだ。
宮本充也