2023/09/10
【2×3コン】「高炉スラグ微粉末はアルカリ刺激でNセメントより遥かに優秀である」白石建設
高炉セメントC種が流通していない理由はなんだろう。アルカリ刺激(スラッジ水・上澄水・回収骨材・粒状骨材から溶出するアルカリ分)でOPCよりも優秀な挙動を見せた高炉スラグ微粉末也高炉セメントB種について。
高炉スラグ微粉末爆発的な初期強度発現
結果は専門家ならみんな驚いてしまうようなものでした。
SCMsはアルカリ刺激によって現在のOPCに比べてはるかに優秀だったとしたら、みなさんどのように受け止めますか?
2×3コンとは?
2x3コン(ニかけるサンコン)と命名された生コンクリート(写真)は高炉セメントB種3割に対して、高炉スラグ微粉末2割(つまり、6:4の割合)で配合され、アルカリ刺激効果を期待してスラッジ・上澄水や回収骨材が用いられた生コンクリートのこと。白石建設によればこの9月からご当地で製造・販売が始まる見込み。なお、来たる9月12日の「生コンでいいことセミナー in 岡山」でお披露目予定。
関連記事:【岡山】「またしても《小澤辰矢》をお招きしてお披露目します《ドットコン》《オワコン》そして《2x3コン》」
まずは、ベース配合(W/B=68%)
初期強度発現の指標となる5日強度は1日強度の3.3倍。ここから、高炉セメントB種と高炉スラグ微粉末の割合を6:4で配合した各種試験が行われる。
2×3コン(W/B=68%)
同W/Bにおいて、4.1倍(5日)の強度発現を記録。
2×3コン(W/B=73%)
W/Bが73%で4.8倍。
2×3コン(W/B=58%)
W/B=58%で5.2倍。また、5日強度の水準はベース配合とほぼ同等。なお、ベース配合に比べて単位結合材量59kg/m3の増量だが高炉セメントに比して高炉スラグ微粉末(4割内在)は安価なため原価は相殺勘定でむしろ2×3コンが安くなる。
高炉スラグ微粉末はアルカリ刺激でNセメントより遥かに優秀である
「ちなみにBB100%で20Nです7日 これは由々しき問題です」白石建設武南さん。よって、「高炉スラグ微粉末はアルカリ刺激でNセメントより遥かに優秀である」という結論に至った。
アルカリ刺激を与えたSCMsの方がよっぽど優秀って、これ、問題しかねえぞ? 高炉セメントC種を流通させない理由はなんなんだ??
止まらないSCMsの活用。次はサンコンのFA宣言
なお、2×3コンはJIS A 5308では規定されていないためJIS生コンとして構造体に用いることはできない。当社らの強みは「オコシコン」(写真)「オワコン」など舗装コンクリートや、「イワモル」流動化処理土などいずれもJISとは無縁の分野となっているため、実装が進みやすい。
「コンクリートをもっと身近に」
てなわけで、業界の都合ではなく、市場と顧客に求められる製品作りをこれからも心がけていきたいですよね。そのためにもやっぱりこれまで産業が苦手として来た「伝える」情報発信が鍵なんだと思います。
オワッコーン‼︎
何よりも大切なことは「やる」ということ。今回の実験だって、どこの生コン工場でも等しくできることです。「やる」or「やらない」。この2つの現象の間に横たわる隔たりはとっても深遠なようですね。
作者・宮本充也