2020/09/13
【茨城】「実際どのくらいの水を吸収(貯留)してるの?」「駐車場2台分でおよそ1tの水を貯留する」小沢建築・行方コンクリート

茨城県行方市。この土地では雨が強くふると水がつかって土間コンやアスファルトなどが50cmくらい持ち上がってしまうという。さらに普通の舗装より照り返しが少ないというのも透水性コンクリートが選ばれた理由。
製造:行方コンクリート、施工:小沢建築(担当:小原喬、32m2、100mm厚、4名、1時間、庭コン)
施工動画はこちら
雨が降ると舗装が持ち上がってしまう
施工Before。
写真が欲しいくらいだが、「雨が強く降ると水がつかって土間コンやアスファルトなどが50cmくらい持ち上がってしまう」土地だそうだ。
凄まじい、水の浮力。
そして、言われてみれば確かに透水性コンクリートなら水の浮力が働かない。
何故なら、水を吸収するということは逆に下からの水もこんこんと表面から湧いてくることを意味する。
絵が欲しい。
凄まじい土地だ。
そして、工事を機会に地盤を掘削したり路盤を施工したりすればある程度は水を貯水するはずだ。
これまでよりも水はけは改善されるはず。
さらに、アスファルトや土間コンクリートよりも照り返しは抑えられる。
⚫︎参考記事: 「路面や環境温度は本当に下がるの?」透水性コンクリートの路面温度低減効果
施工Before2。
駐車場から玄関前に続くアプローチ部分が水に浸かるのは相当のストレスであるはずだ。
「駐車場2台分でおよそ1tの水を貯留する」透水性コンクリートにすれば相当に解消されるはずだ。
こちらの現場は大雨の際にどうなったか今後も様子を確認したい。
施工スタート。
材料を一輪車で敷設したらプラゴテやレーキで平坦にしてその後を追いかけるようにプレートコンパクタで転圧。
今回は普段プレートの取り扱いに慣れていないということで薄ベニア(4mm程度)でプレートマークが発生しないように留意した。
施工も終盤に差し掛かればリズムもできていて施工スピードはぐんぐん伸びる。
施工After。
大地に蓋しない、大地の呼吸を止めない舗装が完成。
これまで水はけに苦しんできた土地だけに今後の雨天時どうなるか担い手の僕たちもとても気になるところだ。
「駐車場2台分でおよそ1tの水を貯留する」
実際どのくらい水を吸い込む(貯留)するのか?
大雨が降っても冠水しなくなった。
⚫︎参考記事: 【三重】「台風(大雨)に透水性コンクリートってどう?」洪水対策動かぬ証拠(プラスガーデンネックス)
大雨が多くなり、こうした声がドライテックをご採用いただいたお施主さんからよく寄せられる。
でも、もちろん「街を飲み込むような洪水」には太刀打ちできない笑。
ただ、「すべての地面(舗装)が透水性コンクリート」になればそんな洪水被害もずいぶん軽減されるはずだ。
素朴な疑問、「実際どのくらい水を吸収(貯留)してるの?」。
簡単に紹介すると、「駐車場2台分でおよそ1tの水を貯留する」と表現できる。
その理屈は以下の通り。
駐車場2台分でおよそ2m3(立方メートル)の透水性コンクリートが用いられる。
透水性コンクリートにはおよそ20%以上の空隙があるため、1m3のコンクリートはおよそ200ℓ以上の水が内部に貯留される計算となる。
さらに、下層路盤(クラッシャーラン)100mm厚にも同等の空隙があるとして同等の200ℓ。
合計で400ℓ/m3。
2m3/800ℓ、さらには現地盤が水を吸収する分を考え合わせると「駐車場2台分でおよそ1tの水を貯留する」ということができる。
まあ、よほどの雨でない限り、「よそは水浸しだけどうちは全く水たまりがない」という状況になる。
大地に蓋しないコンクリート。
呼吸を止めない舗装。
そんな透水性コンクリートであらゆる「水を通さない舗装」がとって変わられれば。
洪水被害だってきっと軽減される。
ハチドリのひとしずく?
そんなことない。
今僕たちはできることをやるしかない。
宮本充也