長岡生コンクリート
オコシコンは高い透水性を持ちながら表面強度・曲げ強度に優れたポーラス構造の高強度コンクリート

2021/05/17

「序列でも、区分でもない、世界の片隅をも含めた誰もが招かれ求められ協働する新しい産業構造」(週刊生コン 2021/05/17)

「序列でも、区分でもない、世界の片隅をも含めた誰もが招かれ求められ協働する新しい産業構造」(週刊生コン 2021/05/17)

先週は記念すべき1週間だ。 RRCS対談座談会 Vol.7 吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る がコンクリートを含むあらゆる産業の前提を覆した。「序列でも、区分でもない、世界の片隅をも含めた誰もが招かれ求められ協働する新しい産業構造」(週刊生コン 2021/05/17)
(画像出典:https://shanaiundokai.com/event/scuffling/



引き直されたスタートライン

環境金融の現在と未来 | RRCS対談座談会 Vol.7 吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る

https://youtu.be/wbC9m141_ms


今回で7回目となったRRCS対談・座談会。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部門 副部長 プリンシパル・サステイナビリティ・ストラテジストの吉高まり氏をゲストに、カーボンニュートラル、ESG、グリーンボンドと、今後の世界で必須となる‟グリーン事業"の本質とその関わり方を考える。

00:00 オープニング
01:45 環境金融の現在
04:05 ESGの本質
12:46 経済合理性の視点
18:00 コンクリート業界における課題
25:05 2050年に向けてグレートリセット

一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会
https://rrcs-association.or.jp/

RRCS・我々の研究会で、例として進めようとしているようなものがありまして。それがちょっとアスファルト業界との対比をしなきゃいけないので例として考えていただければいいんですけど、道路。大手町の周りの道路もだいたいアスファルトで道路舗装はされています。それをコンクリート舗装にしましょうという、というのは実はもう10年ぐらい前からですね、コンクリート舗装のほうが長持ちしますという事と、あとはヒートアイランド現象とかもあって、コンクリートの白い色とアスファルトの黒い色だと、そこに吸収するエネルギー量、熱量が違うので、コンクリートのほうが反射してくれてヒートアイランドも抑制できるのではないかと。さらにそれに加えてコンクリートを透水性にしましょうという。それを更に今のカーボンニュートラルということで、コンクリートは実は大気中の二酸化炭素を長年にわたって吸い続けます。で、固定化していくのでCarbonCaptureをすることでそれを透水性のコンクリートだと穴がいっぱい入っているので、二酸化炭素が通りやすく吸着しやすいということで、アスファルトに比べるとよほど環境には良いものになるのではないかというあたりをいかに説明して評価していこうかという動きをしようとしているんですけど。その辺に対して投資家の面から見てもうちょっとこうやったらいいんじゃないかとか、それともどれぐらいの投資が期待できるのかなど、逆に我々にとっては非常に気になるところなんですがいかがでしょうか。 (RRCS代表理事・野口貴文氏の発言から引用:https://rrcs-association.or.jp/dialogs/21510.html



ルールが逆転してスタートラインが引き直された1週間

コンクリート産業の主な市場である建築、土木、いずれもが低迷を余儀なくされている。

持続可能な発展。

クローズドループ。

大地を削り、汚し、蓋し、CO2を焚く文脈を底流に置く建築、土木は低迷すべくして低迷する。

後追い産業生コンクリートは座して死を待つばかりか。

糊口を凌ぐという文脈におけるビジネスで考えると市場がシュリンクすることは歓迎できない。

個人的にも既に足掛け21年目の生コンクリートがさらに縮小するというのだから。

存在を否定されるのは誰にとっても過酷な体験だ。

一方、確かに現実のコンクリート産業は建築、土木の発展を支えるために、どの産業よりも多く、大地を削り、汚し、蓋し、CO2を焚き続けてきた。

我が国では72年目の産業。

ここ100年近くで膨大な量の山河を削り原料(セメント、骨材)を採掘してきた。

あと100年で石灰岩は掘り尽くされてしまうという推計もある。

副産物残コンの適正な有効利用は全く進んでいないことで循環を阻害している(大地を汚す)。

生コンクリートは建築構造物、土木構造物として大地に蓋をする。

自然の循環が阻害されることに加担している。

さらに、セメントを焼成する過程、あるいは物流の過程で発生するCO2の量は全ての産業を通じてトップレベルだ。

どう贔屓目に見ても、この営みをさらに持続することは、誰をも不幸にする。

産業分野が衰退(市場がシュリンク)することは、地球環境にとっては歓迎されるべきこと。

小学校レベルの知識さえあれば誰もが理解できる簡単な理屈だ。

これまでの区分、序列とは異なる、新しいスタートラインが引き直された。

「グレート・リセット」という言葉が示された記念すべき1週間だったと振り返る。

⚫︎先週の記事1: 「吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る」RRCS座談会 Vol.7

⚫︎先週の記事2: 「僕の生きている時代に割合を95:5(Con:As)に逆転させます」舗装施工監理技術者

僕たちは本来の意味で環境、ひいてはそこで暮らす人々に有益な活動を探究することができる時代に立ったということなのだ。



「努力してビリになろうとする人はいない」

先週1週間で示されたグレート・リセットを裏付けるエピソードを紹介したい。

コンクリートには中性化という現象がある。

中性化とは、二酸化炭素によって生じる、鉄筋コンクリートの劣化のひとつ。コンクリートは主成分がセメントであるため内部がアルカリ性であるが、外部からの炭酸ガスの侵入によって中性になると鋼材の不動態被膜が失われ、耐腐食性が低下する。 ウィキペディア

検索した人はいずれもネガティブな意味でその言葉を目にすることになるだろう。

事実、現代の繁栄(建築、土木というインフラ視点)を支えたテクノロジーは鉄筋コンクリートという構造体だ。

電気も、水道も、鉄道も、ありとあらゆるインフラは鉄筋コンクリートに基礎を置いている。

鉄筋コンクリートが劣化していくメカニズムの大部を占めるのが中性化。

その意味では、これまでの学問は「中性化しないコンクリート」を追求することを主題としてきた。

「中性化しない(CO2と触れない)コンクリートとその度合い」が研究者の序列を作った。

誰しもが、CO2と触れないコンクリートという頂上に向かって努力を払った。

コンクリート工学を乱暴に切り取るとそうなる。

そして、ここ数年のSDG'sを始めとする論調がその前提条件を覆した。

「2050年カーボンオフセット」

その前提に立つと、CO2と反応するコンクリートにはこれまで見出されてこなかった性能が突如出現することになる。

CO2の収容性。

大気中のCO2と反応することでCaCO3という固体状に変換させる。

コンクリートのCO2収容性。

CO2貯蔵庫としてのコンクリートストック。

「努力してビリ(CO2を吸収しやすいコンクリートの開発)になろうとする人(研究者)はいない」

そして、全てのコンクリート産業人は盲点をつかれる形になる。

これまでビリだった領域が突然トップラインに躍り出ることになった。



これまで「水を通す」という観点のみを議論されてきたポーラスコンクリート(舗装)がグレート・リセットの出発点。

舗装施工の分野では転圧コンクリートに区分されるポーラスコンクリート舗装は鉄筋を用いないことを原則としている。

つまり、鉄筋コンクリートの宿命的弱点ともいうべき中性化が問題にならない。

「水を通す」ということは、つまりは「空気(CO2)も通す」。

これから詳らかにされるCO2収容速度は鉄筋コンクリートの比ではない。

(簡単な試算ではポーラスコンクリートの場合1年で全CO2収容可能量の50%を固定化するとされている)

さらに、市場性。

これまでコンクリート産業の文脈としてはネガティブに語られてきたアスファルトとコンクリートの舗装占有率、95:5(コンクリートはアスファルトに大きく水を開けられている)。

言い換えれば、「伸び代しかない」分野が突如コンクリート産業の目の前に開かれたということになる。

舗装といえばアスファルトという常識が激変(グレート・リセット)することで低迷・衰退する産業の前に新しい市場が開けるのだ。

(プラスチック・フリーのトレンドから考えてもさらにアスファルト舗装の普及が促進される可能性は皆無)

トップアカデミアも含めて産業全体が盲点を突かれていたコンクリートの中性化、言い換えれば、CO2収容性。

ビリだったポジションが、まさかのあらゆるセクターが追求する分野として定義された。

今や誰もがスタート地点に立たされていることを意味する。



今まで、ビリにいた人たちって誰?

僕は現在を常にポジティブに捉えている。

誰が生コン工場を産業のトップだと言うだろう。

従来の偏差値型教育システムで最も勉強して、最もいい成績を残し、最も素晴らしいと言われる企業に入ることができる才能が現実問題として生コン工場を選ぶことはない。

これが現実だ。

異論の余地はないはずだ。

僕は生コン入職当時、ゼネコン現場事務所でのパワハラなどを経験し、強いコンプレックスを抱くようになった。

生コン製造は底辺。

強い課題意識だった。

見向きもされない辺境。

みんなと同じように勉強し、そこそこの成績で、そこそこの進路を進んだ、そこそこの僕は、突如底辺に突き落とされたと感じた。

チンピラまがい、中には入れ墨を背負ったお兄さんたちの集団に囲まれて凄まれたことも一度や二度ではない。

奈落の底のようだった。

現場でも、「買ってる」という立場だけで不条理な言葉を投げつけられたこともある。

かてて加えて、縮小する産業。

下りのエスカレーター。

16年前に出会ったポーラスコンクリートに当時の僕はブレイクスルーの全てを賭けて打ち込んだ。

その過程で、自分と同じように底辺で抑圧されてきた生コン製造者らとの出会いがあった。

その出会いは連携という形に発展していった。

全ては、コンプレックスが原動力だった。

そして、先週示された前述野口先生のコメント。

さらには、吉高さんの「グレート・リセット」という共有。

言ってみれば、従来の教育システムで最も成果を挙げた人たちによるそんな僕たち底辺生コンの権威づけがなされた記念すべき事件だったということができる。

グレート・リセットという言葉が実感される。

底辺の蓄積が突然にトップラインに位置付けられた記念すべき1週間だったのだ。



僕たち生コン製造者は今地球にいる誰よりも具体的にポーラスコンクリートを製造し、現場に届けている。

実際に、市場を創造している。

理屈や理論ではない。

形を作っている。

そして、そのポーラスコンクリート(あるいは再生コンクリート)に一斉に産業のタレントの熱視線が注がれるようになる。

タレントは栄光ある場所に集まる。

生コン製造が栄光ある場所になる。

そういう意味を孕んでいることを強調したい。

序列ではない。

区分でもない。

世界の片隅をも含めた誰もが招かれ求められ協働する新しい産業構造。

RRCSが描いている設計図はいわばそんなところ。

描かれた像はこれからいよいよ躍動し始める。

グレート・リセット。

誰もがスタート地点に立たされている。

序列でもなく、区分でもない、新しいルールで誰もが生き生きとその目的を追求することができる。

そんなコンクリート産業であれば、「水の次に流通する材料」生コンがおよそ一番世界の飢餓を癒すことができる。

生コンラストマイルの活躍を世界は今かと待ち侘びている。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士

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