2020/07/20
「《排水》にはこんなにお金がかかるんだね?」土間コン vs 透水性コンクリート #2

《最もよくある質問》「材料は高いのにどうして安い駐車場になるの?」に回答するシリーズ《土間コン vs 透水性コンクリート》第2段は「スリット目地型枠」「型枠撤去(交通費)」など。排水に関わる設備は結構嵩む?!
⚫︎#1:https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/_vs_3.html
土間コンが結局高くなる理由《排水》《スリット目地》《撤去》《交通費》《時間》
敷地が境界道路よりも低い(逆勾配)となっており、排水を回避できる透水性コンクリートの採用(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_1213.html)。
以下、掘削・路盤など共通周辺工の費用は除く。
⚫︎透水性コンクリート159m2
合計874,500円(5,500円/m2)
4時間
⚫︎土間コンクリート159m2
土間コン795,000(5,000円/m2)
スリット目地(排水)50.4m
型枠解体作業その他121,000円
合計916,000円(5,761円/m2)
3日間
土間コンよりも透水性コンクリートのほうが安くなる理由は排水。
さらに、4時間で全てが終わってしまう透水性コンクリートに比べ、土間コンには3日間がっつりかかっている。
半日と3日間。
透水性コンクリートで浮いた作業人員や時間は当然その他の施工に当てられることになる。
舗装単体(排水含む)で見ただけでも透水性コンクリートが若干やすいことに加えて、その他路盤や掘削、解体・撤去、カーポート、植栽、ブロック積みなどエクステリア工事トータルで考えれば浮いた作業員と時間の効果はそのままコストに影響を及ぼす。
施工After。
逆勾配でありながらも排水のためのスリットは見当たらない、排水設備も必要ない。
もちろんいつだって安くなるってわけじゃない
36m2駐車場舗装の比較(同じく舗装+排水単体)。
⚫︎透水性コンクリート(36m2)
合計288,000円(8,000円/m2)
1時間半
⚫︎土間コンクリート(36m2)
188,000円(5,222円/m2)
スリット目地30m
後日解体作業
追加80,000円
合計268,000円(7,445円/m2);
2.5日
このケースでは透水性コンクリートのほうがm2あたり550円ほど高くなっている。
ただ、1時間半で終わっていることを考えると、2.5日の土間コンに比べて1日の大半を他の作業(例えば、掘削・路盤・型枠・その他)に回せる。
土間コンオンリーで発注するエクステリア工事は考えづらい。
そのため、結果として透水性コンクリートが選ばれることにもなる。
そして僕なら「仮に500円高くとも水を通せて真っ平らにできる方を選ぶ」のは身びいきだろうか?
スリット(水切り)のために設置される型枠はこちら(出典:https://exterior-kangaru.com/37088586.html)。
まだまだ透水性コンクリートの本来の価値が市場と顧客に浸透しているとはいえない。
まだまだ情報が行き届いていない。
セグメントで区分されている、
⚫︎施主(発注者)
⚫︎施工者
⚫︎製造者
それぞれの相互理解のためには今回のようになるべく専門的な知識(特にコスト面)をオープンにすることが大切だと思っている。
これからも過去の施工実績の中から土間コン vs 透水性コンクリートをシリーズとして解剖することで、
「なるほど透水性コンクリートの方が断然お得じゃん」
「だから次世代の土間コンは透水性コンクリートなのね」
というそれぞれのセグメントにおける理解を広げていきたい。
宮本充也