2022/03/24
「DIY エクステリア 駐車場にワイヤーメッシュが必須だとか思ってない?」(その1)
「自分でコンクリートを買って駐車場を整備しよう」。今の時代DIYはそれまでプロの領域とされてきた土間コンクリートの施工まで及んでいる。それでもやっぱり難易度は高い。「DIY エクステリア 駐車場にワイヤーメッシュが必須だとか思ってない?」(その1)。
強度UPは真っ赤な嘘のワイヤーメッシュについて
WEBを見渡せば「強度UPのためにワイヤーメッシュを使いましょう」というプロから言わせればまるで根拠のない言説がまことしやかに流布されている。
鉄筋コンクリートの鉄筋とメッシュ筋の役割はまったく違う。
鉄筋コンクリートのイメージが先行してしまっているからだろう。
コンクリートは圧縮を担い、鉄筋は曲げを担保する。
これはあくまで鉄筋コンクリート構造物での話だ。
型枠の中で大量の鉄筋が配置される。
そこに生コンが打設される。
奇跡の大発明と言われる、「鉄筋コンクリート」。
両者の線膨張率が近似している奇跡のタッグ。
植木職人モニエが1800年台後半に発明したと言われている。
曲げ応力にも圧縮応力にも耐えうる恒久的で最強の構造物が実現した。
これは事実だ。
一方、ワイヤーメッシュ。
冷静に考えてみればわかる。
ホームセンターなどで手に取ったことはないだろうか。
大人の力でも簡単に曲がるペラペラの鉄網。
WEBを見渡せば会社名を晒してまで「ワイヤーメッシュは曲げ強度がUPします」と宣言しているむきもある。
人の手で簡単に曲がるワイヤーメッシュ。
確かにコンクリートは圧縮に強く曲げには弱い。
ただ、それは比較論であって、実際にワイヤーメッシュの曲げ強度なんかよりも全然高い。
ワイヤーメッシュに求められている機能はそもそもが違うのだ。
ワイヤーメッシュに求められる役割。
正解は「ひび割れ抑制」。
コンクリートが乾燥収縮などで収縮し拘束応力がかかった場所にひび割れが入る。
そのひび割れを抑制することを期待されていつしかワイヤーメッシュを使うことが常識になっている。
もはやその利用に関して施工者は思考停止に陥っていると言っていい。
土間コン舗装の前にはワイヤーメッシュ。
「そういうもんだから」
この手の常識と呼ばれるものには注意が必要だ。
なにせ道路学会などで発表される学術論文ではワイヤーメッシュのひび割れ抑制に関する効果性は立証されていない。
さらに、日本の土間コンが手本にしたアメリカでは既にワイヤーメッシュなど用いられていない。
ただ、「ひび割れ抑制効果ありません」といえばあまりにセンセーショナルすぎる。
なにせ、これまで信じていたものを否定されるというのは誰だって辛い。
ここでは「ワイヤーメッシュはひび割れ抑制効果を期待されて使用される」という前提を踏襲したいと思う。
ワイヤーメッシュ不要の造粒ポーラスコンクリート オワコン
次にワイヤーメッシュの施工の大変さの話についてだが、先に多くのDIYer(DIY初心者)に知っておいてもらいたいコンクリートがある。
ワイヤーメッシュは一切不要で、土間コンクリートを簡単に施工することができる造粒ポーラスコンクリート「オワコン」だ。
オワコンはポーラス構造を採用したコンクリートで、内部に無数の隙間があり水や空気を地面まで通すことができる性質を持つ。
雨水はオワコンを通て地面に流しつつ、地面にから生えてくる雑草を防ぐことができるということだ。
雨が降った後のみずたまりやぬかるみ、毎年の草刈りの心配が無くなる。
こちらが生コン工場から運ばれてきたオワコン。
パチンコ玉のような粒状をしており、敷き詰めて圧を掛けることで施工することができる。
当然ながらワイヤーメッシュ不要で施工することができ、車を駐車しても十分な強度がでる。(オワコンで駐車場を施工する場合には施工者消費者責任です。)
この後で説明する普通の生コンクリートとワイヤーメッシュを使った土間コンクリートの施工は非常に大変だが、オワコンなら敷設→均し→仕上げで施工ができてしまう。
さらに敷設→均し→仕上げは、オワコンを施工現場に降ろしてトンボやレーキで平らにし踏み固めることで施工ができてしまうのだ。
DIY経験が浅い人でもオワコンを使えば土間コンクリートを施工できる。
ちなみに、オワコンは4月よりホームセンターカインズ(関東圏)にて、材料+施工工事の販売を行う。
カインズで土間コンクリートを買えるようになり、実物が見たい場合にはカインズに展示されるオワコンで確かめることができる。
材料(オワコン)だけ欲しい場合でも生コンポータルで対応している。
ではワイヤーメッシュの話に戻ろう。
⇒「カインズでは以下の店舗で4月上旬からオワコンお買い上げいただけます」
ところで、ワイヤーメッシュの施工ってとても大変だよね?
とあるホームセンターで手に取った2m2(1m×2m)のワイヤーメッシュ。
見ての通り服に引っかかったりして取り扱いが面倒そうだ(やらせすみません)。
お値段、400円/1枚。
つまり、200円/m2の原価ということがわかる。
例えば30m2の駐車場を設置するにあたり15枚のワイヤーメッシュが必要ということになる。
そこそこかさばる。
DIYで考えれば荷台のあるトラックが必要になるだろう。
一般家庭にそんなものはないからまずそれを調達しなきゃならない。
さらに、地形に合わせて切ったり貼ったり、スペーサーの上にそれを載せたり、そこからいろんな作業が発生する。
これが生コンを打設する前の状況。
サイコロと呼ばれるスペーサーの上にワイヤーメッシュが浮いて置いてある。
足元はおぼつかない不安定な状態での作業。
作業だけじゃない。
一輪車で生コンを運ぶのだがこれではなかなか捗らない。
道板といって一輪車があるける用具が必要になってくる。
曲げ強度が上がるわけでもない。
ひび割れ抑制効果のほども疑問が残る。
そんなワイヤーメッシュだが上述のように非常に手間を施工者に要求する。
プロの施工者ならいざ知らず、DIYを志向する素人さんにとっては手に余る存在といっていい。
今、この、なんとも困った常識であるワイヤーメッシュに新たな展開が生まれようとしている。
現在も一部流通している旧製品ドライテックでお困りの方々への救済措置についてご案内しています。
●【安い!】材料の価格がダウン。採用しやすい金額に
●【らくらく施工】施工しやすい性質に改善
●【つよい!】ドライテックを超える平均強度