2023/08/29
「流動化処理土の歴史に名を残す一大事件【イワモル】は全国の生コン工場から」HAYN隊(横浜国立大学細田暁研究室ら)

横浜国立大学細田暁研究室や白石建設、生コンポータル他(チーム名「HAYN隊」)で技術開発が進められている流動化処理土「イワモル」は圧倒的コスパを武器に全国各地の生コン工場から製造・出荷すべくネットワークが広がろうとしている。
流動化処理土「イワモル」という事件
流動化処理土って何?
博多駅前道路陥没事故の復旧で一躍話題となった生コンクリートが「流動化処理土」。(写真は日経クロステックより)
『流動化処理土』は、残土と水に固化材を加えて混練することにより、高い流動性を持たせた土粒子配合の安定処理土です。 建設工事による締固めが難しい狭い場所や空間などに流し込み施工で隙間を充填し、固化後に発揮される強度と密度管理 により品質を確保する土工材料です。
解説にあるように、基本的には残土など土粒子を用いた製品となっている。
残土から残コン(残コナ)にシフト
なお、流動化処理土「イワモル」では「残土」に代わって、「残コン」由来のパウダー(「残コナ」と命名)が用いられる。なお、豊富に含まれる水酸化カルシウムがSCMs(高炉スラグ微粉末、あるいは高炉セメントB種など)を刺激することによって使用するセメント量も極限まで減らす(あるいは用いない)ことができる。
コナだからサイロに貯蔵できる
「残コナ」は粉体であるため、生コン工場などに設置されてあるサイロに貯蔵することができる。
生コン工場には「セメント」ほか各種粉体材料が貯蔵される「サイロ」が設置されてある。
つまり、生コンと同じように、簡単製造
サイロや骨材ビンに「イワモル」全ての材料をストックできる、ということはつまり、普通の生コンと全く同じように製造できるということ。
既往の各種流動化処理土と違って重機や作業スペース、特設プラントなどマンパワー不要となる。また、原材料は「残コン」由来(捨てればゴミ)であるため、圧倒的なコスパを特徴としている。
流動化処理土「イワモル」は公共事業でも!
写真は国土交通省関東技術事務所で試験実装された「イワモル」。なお、先日の徳島県など着々と公共事業での実装が広がっている。
関連記事:【徳島】「イワモル。少量ですが、公共に対して21m3出荷出来ました」
広がる「イワモル」ネットワーク
品質管理も生コンのそれに酷似しているのが「イワモル」の特徴。生コン工場にとって非常に敷居の低い新規事業とすることができる。また、契約金だのm3いくらのロイヤリティだのは一切請求しないから生コン工場にとっては非常に安心。
「コンクリートをもっと身近に」
当社でも残渣式流動化処理土を長年やってきたからわかるけど非常に属人的で大変な役務がついて回ることに比べれば、「イワモル」最強です、はい。まじで、生コン工場のためにあって、全国各地の生コン工場が流動化処理土の基地になるってくらいの潜在性を有しています。さー、行くぜっ、HAYN隊っ。
オワッコーン‼︎
HAYN隊では随時隊員の募集(要件は変態であること)を行なっております。HAYN隊に入隊すれば「イワモル」や「ヌテコン」の製造ができる最強の生コン工場になっていただけまっす。
作者・宮本充也