2019/09/01
「灯油をこぼしても大丈夫?」GSがコンクリート舗装であることからわかるアスファルトの弱点

よく寄せられる質問「灯油をこぼしてアスファルトが溶けた(骨材がポロポロ取れた)ことがあるけど、透水性コンクリートはどう?」。物性の違いから解説する。
ポロポロ取れたりするんじゃないの?透水性コンクリートの骨材飛散事情
生コンポータルに寄せられるよくある質問を検索するとYahoo知恵袋で同様の質問がされているのをよく見かける(出典https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1123303991)。
専門家の近視眼。
時に「何言ってんだろ?」と思ってしまうことがある。
専門家からすると全く見当がつかないのだ。
灯油で解けるわけないじゃん、と。
それは、以前も紹介した、
「バイクのサイドスタンドがめり込んだりしませんか?」
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_841.html
にも同様のことが言える。
最初全く意味がわからないのだ。
どうして、そんな発想に?
この質問の背景にも実は一般的なアスファルト舗装の存在があった。
我が国の舗装の95%はアスファルトと言われている。
もはやおよその一般人からすれば、
舗装 = アスファルト
であって、アスファルトとコンクリートの間に違いなど見出していない。
どちらも似たようなもん。
だから、透水性コンクリートも世の舗装と常に比較されることになる。
そこを僕たち専門家はきちんと念頭に置いておかねばならない。
GS(ガソリンスタンド)はなぜアスファルト舗装ではない?
(GSの舗装は100%コンクリート舗装でアスファルトに比べると白い)
ポロポロ取れたりしませんか?
このよくある問いへの答えは、「GSは土間コン」となる。
知らない人も多くなってきたので敢えて書く。
アスファルトは石油製品。
試しに許されるのならその辺のアスファルトにガソリンを垂らしてみるとわかる。
破壊的に溶ける。
同時に、コンクリート舗装にも垂らしてみるといい。
変化なし。
凝結した塗料をシンナーで溶かす。
あれと似た原理となる。
そのシンナー。
コンクリートの仲間であるガラスを拭いても、ガラスは解けない。
アスファルトとコンクリートの物性の違いがここでわかる。
コンクリートは石油由来ではなくSiやCaで構成された無機物。
だから、ガソリンや灯油に溶けることは絶えてない。
そのためGSの舗装は必ずコンクリートが採用されている。
GSの洗車場舗装が濡れて転倒が頻発していたため採用された透水性コンクリート(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/gs.html)
というわけで、コンクリート。
もちろん、透水性コンクリートも。
灯油、ガソリン垂らしても溶けたり骨材(石)がポロポロなったり絶対しません。
安心してご採用ください。
宮本充也