2021/07/08
《Instagram》「1m2あたり5,000円もアップ」「産業の健全性を保全する」

InstagramなどSNSをエゴサしていても如実にわかる個別現場でのドライテックの扱われ方。インターネット以前ならこうした情報は全て埋もれて、消費者は泣き寝入りするよりほかなかったのだろう。今の時代、辺境の情報も含めて全ては白日の元に晒される。その時、サプライヤーの果たすべき役割とは何か。
ドライテック見積もり出ました(涙)
⚫︎参考記事: ドライテックへ変更「ハウスメーカーのお庭作りはJEGをお勧めします」 #2
⚫︎Instagram投稿:https://www.instagram.com/p/CQllt_IMe5F/?utm_source=ig_web_copy_link
(以下、絵文字割愛原文ママ引用)
打ち合わせ14時〜21時すぎ
今日は気になっていたドライテックについて聞きました
まさかの、、、
安くなーい!!!!
ドライテックの投稿時
コメント欄で数人の方が教えてくれたけど、、、
若干期待してた
積水の外構担当者の人も申し訳なさそうでした
I平米あたり、5000円もアップ、、、
くぅぅぅ
私の心は完璧ドライテックに持って行かれてるので
(一昨日のpost参照 笑)
積水ハウスでは施工しません
◉駐車場スペース
ここは外部の施工業者にドライテック依頼します!
◉玄関までのアプローチ
◉敷地の入り口
ここは、外構キャンペーンに含まれるみたいで
しないと、キャンペーンから外れる
なので、そのまま洗い出しコンクリートで
積水ハウスでお願いします
またドライテックに関しては
進展があったらpostします
#積水ハウス #積水ハウスシャーウッド #シャーウッド #駐車場 #駐車場工事 #ドライテック #ドライテックコンクリート #ポーラスコンクリート #外構デザイン #外構#外構費用 #減額調整 #減額ポイント #マイホーム記録 #家作り #浸透性コンクリート
「生態系の営みに関与してはならない」を思い出してしまった
子供の頃、カラスや鷹に襲われ捕食されようとしていた小動物や昆虫を助けたいと思ったことがある。
先生や、親から、自然の営みに人間が関与してはならない、とそう教えられた。
巣を襲われて果てようとしている燕の赤ちゃんはそれが元々の定めだったのだから、手の下しようもないし、カラスにとってはそれが生きるために必要なこと。
こうして、生態系というのは循環している。
本来の生態系の営みを今破壊しようとしているのは人類。
だから、人類、とりわけ産業人は、この負の循環を断ち切りサステナビリティを呼び戻すべくイノベーションを起こそうと必死だ。
建設、コンクリートに携わる僕たち生コンポータルも、そんな世界の片隅で「大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するコンクリート」を志向し形にすべく日々の実業に邁進している。
その具体的なプロダクトとして、ドライテックという「地球に蓋しないコンクリート」の普及に携わっている。
そんな日々のある時に、「ドライテック見積もり出ました(涙)」というInstagramの見知らぬ方の悲痛な投稿を目にする。
「1m2あたり5,000円もアップ」
「積水ハウスでは施工しません」
まるで、公園を歩いていたらカラスに襲われて落下した燕の巣を見つけたような思いだ。
切ない。
手を差し伸べたい。
ここでも社会や産業の1である僕たちは、「自然の営みに人間が関与してはならない」を遵守すべきなのだろう。
辺境で起きていることに、たまさかその状況を知ったからといって、全く別の地域に住むサプライヤーであるこの僕が何かするべきではない。
きっと突然連絡をしてきた僕に対して、「は?誰じゃお前?」という警戒を示されることになるだろうし、よしんば手を差し伸べてその方に適正価格のドライテックをお届けできたからといって、それではこれからも世界のあちこちでカラスに襲われて落下している燕の巣を救済できるとは限らない。
座して自然の営みを受け入れるよりほかないのだ。
ちなみに、1m2あたり5,000円も高くなるいわれがないことはこれまでも何度も述べてきた通りだ。
そもそも、ワイヤーメッシュの敷設や目地・仕上げ(刷毛引き、金鏝)がない分工事単価は安くなる。
通常の土間であれば2〜2日半かかる工程が1日に短縮することは価格も抑えられる。
施工の部分でかなりの原価圧縮が実現する。
材料が仮に15,000円/m3が40,000円/m3と高くなったとしても、2,500円/m2の原価UPにしかならない。
どう考えても、5,000円/m2アップはありえない。
積水ハウスは所詮出入りの外構業者の言いなりに経費を乗せているだけだから罪はないが、それにしても罪のない一般の方がしっかりとした根拠を示されることもなく、高い見積もりを突きつけられるというこの不条理に、僕は同じ世界のまた別の片隅で忸怩たる思いに苛まれている。
生態系の辺境で起きていることを知ることができるだけでもありがたい時代に生きていると思う。
これまでは、そんな辺境の不条理を知ることすらできなかったのだから。
そして、辺境の不条理を知ることができるようになった僕たちサプライヤーにできること。
それは、少なくとも生コンクリートの流通系としての生態系の健全性を保全するための具体的な実践。
消費者の方々が必要としている価値をきちんと提供可能な情報を公開し、つながる機会を増やすこと。
建設、とりわけエクステリア産業の情報の流動性を高める。
風通しをよくする。
⚫︎参考記事: 《無視されて》「庭コンに《見積書》《プラン》をご提示ください。《無料》で診断・相見積もりを致します」後出しジャンケンワークス #3
預かり知らぬ辺境でとんでもない不正が生まれていたとしたら、それをそのまま埋もれさせるのではなく白日の元に晒す。
産業の健全性を保全する。
インターネットと企業関連携という武器を最大限に活かし、適切で健全な生態系の循環を希求する。
偶然見かけた見知らぬこの方が笑顔になれるように心から願い、自分のできることに集中したい。
宮本充也