2020/12/21
「菅首相《排出量50年ゼロ》に応えるのは生コン工場(JIS外生コン)」(週刊生コン 2020/12/21)

2020年総理大臣に就任した菅義偉の宣言、「排出量50年ゼロ」。コンクリートに携わる1人として、日本国民としては「菅義偉さん、待っといてください」と胸を張って応えたい。辺境(生コン製造)が生み出したコンクリート《ドライテック》が2020年バズった。「菅首相《排出量50年ゼロ》に応えるのは生コン工場」。
「日本版 EN 206 を創造し、残コンだけじゃなくCO2もリサイクルしちゃおう」RRCS
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/_en_206_co2rrcs.html
今年は、RRCSが設立された。
先日の理事会聴講で改めて実感した。
縦割り・階層の構造では、中枢と辺境として区分されてきたそれぞれがRRCSでシームレスに繋がる。
縦割り・階層で区分されてきた情熱や才能は減衰することなく全体に統合される。
世界が必要としていることに即応する産業構造の実践。
時を得るということはこういうことだ。
そのRRCSに持ち込まれた、CCU(CO2 Capturing & Utilization:CO2を固定化させ再利用する技術)。
排出されるCO2を固定化して、エネルギーや材料に変換する。
なんと、コンクリート混和材、あるいは骨材に変換されたCO2がある。
従来であればこうした新技術は規格化され汎用化されるまで時間がかかった。
RRCSで交流しているのはアカデミアや発注官庁だけじゃない。
辺境で戸建て住宅の駐車場に0.5m3の生コンを納めている生コン製造者の姿もある。
橋やビルを建設している名うてのゼネコンの姿もある。
混和剤を製造し流通している企業や、生コン製造設備を建設し納品している企業。
ACRACのように20年再生骨材コンクリートの分野に携わっている団体の会長も理事だ。
生コンに関わるあらゆる属性の人と法人が結びついている。
よく言われる例えに、
「これだけの人たちがいればビルが建っちゃう」
なんて表現があるが、まさに、
「RRCSに参画する多様な人たちが協同すればどんなコンクリートでも流通しちゃう」
という表現が当たる。
菅義偉総理大臣が掲げた「CO2排出50年ゼロ」に唯一体制を整えている産業。
それが、コンクリート。
年末にそんな実感を強く持っている。
《CO2≒残コン》「無筋コンクリートや非構造体を対象としたコンクリートは巨大な残コンとCO2の受け皿」RRCS
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/co2co2rrcs.html
生コンポータルは生コン工場であり、全国500を数える生コン製造者と連携している。
その20年の足跡。
取り組んできた生コンはいずれも「JIS外品」。
いわば、マイナーコンクリート。
これまでの産業ルールで言えばメジャーじゃない。
脚光を浴びない。
メディアを騒がすのは常に高性能、高強度、高流動など最先端。
「高い」性能を要求される一流の建築、土木に用いられる、先端テック。
その影で、生コンポータルや連携する企業の間で20年彫琢されてきたJIS外品の群。
中小零細企業でも取り組めるようなコンクリートテック。
「中古品」
一流どころからは忌み嫌われてきた残コン再生原料(スラッジ水など)。
建設発生残土を再生して埋戻しという汎用品に用いられる流動化処理土。
そして、戸建て住宅外構工事のように比較的要求性能が高くない分野で用いられる、透水性コンクリート。
こうした、中小零細企業でも取り組むことができる、そして、それぞれの土地できちんと市場を創造することに成功した、コンクリートテックは500工場との連携を通して辺境で実践されている。
これらコンクリートはそのまますぐにCCUでもたらされるCO2由来の原料の出口・受け皿となりうる。
JIS外品は市場と顧客の要求性能さえ満たしてさえいれば良いからだ。
2020年以降の全産業のトレンド、菅首相「排出量50年ゼロ」のタイミングで、RRCSが発足しやCCUがもたらされ、そしてドライテックがバズった。
⚫︎参考記事: 「CO2ゼロは生コンに任せろ!」次なる透水性コンクリート《CO2固定化》CARBON CURE
ここから50年、日本の全産業をリードするのは生コン工場。
年の瀬に本気で思っている。
「菅義偉さん、待っといてください」
と胸を張って応えたい。
「菅首相《排出量50年ゼロ》に応えるのは生コン工場」
宮本充也