2021/01/20
「なかった家、なかった庭、なかったドライテック」【ドキュメンタリー】旧友からのLINE(その10:完成後1ヶ月)

ドライテックというプロダクトは食べれば咀嚼され胃袋で消化され跡形もなく消えてしまうものではない。一旦施工されてしまえばそれは人の一生よりも長く風雨に耐え凌ぎ地球に蓋せず人々の足元を支える。昨年3月に突然寄せられたLINEメッセージから完成までをドキュメンタリーで追うシリーズ完結。「なかった家、なかった庭、なかったドライテック」【ドキュメンタリー】旧友からのLINE。
また何か必要なことがあれば遠慮なく教えてね
高校時代からの旧友から1年前LINEで連絡がありドライテック(透水性コンクリート)がDIYで施工された。
動画は完成後1ヶ月。暮らしは始まり、景色に馴染んでいる様子。
⚫︎参考記事1: 【静岡】「小島君、ありがとう。」《透水宣言》と《旧友からのLINE》コラボ企画!!(その8:サイクルポート組み立て)
⚫︎参考記事2: 【静岡】「立水栓、駐車場、歩道、車道、サイクルポート基礎」《透水宣言》と《旧友からのLINE》コラボ企画!!(その9:ドライテック)
所用の途中小島くんの自宅前を通った。
昨年の3月にずいぶん久しぶりにLINEで連絡を取り合い、昨年11月にいよいよ念願のドライテックとサイクルポートはDIYで完工した。
忙しい毎日。
お互いに伊豆に住んでいるとはいえそれぞれに生活がある。
子供時代を互いに知り合っているからといってその動線はなかなか交差するものではない。
ここ5年ブログを毎日3本更新し、SNSやYouTubeなども使って広く情報発信してきた。
その一端が小島君の生活の一部に紛れ込みその点線の情報は実線として具体的な形を帯びた。
小島君のお家の庭にエクスショップからカーポートとドライテックが届けられた。
小島「Amazonで見切り材を4,000円で購入してドライテックと別の舗装の間をDIYで区切ってみたよ」
宮本「かなりおしゃれだね!また、うち(生コン屋さん)にあるものでよければ、遠慮なくね」
20年の時間を経過して交差した動線はまた別の軌道をそれぞれ描き始める。
小島君、そして僕のそれぞれの生活はまた続いていく。
透水性コンクリートに限らず、プロダクトの製造、ものづくりに携わっていてごく稀に感動することがある。
自分が打ち込んでいるプロダクトが人と人を繋げる。
ドライテックが小島君と僕を再び繋げたように。
僕たちが普段業務として対応しているすべての人たち(顧客)も小島君と同じかけがえのない人たち。
誰にも身に覚えがあるのではないか。
仕事という枠組み・ルールの中にはまった瞬間に感動を忘れる。
思考を忘れる。
決められたことを淡々と機械のように冷徹に続ける。
本気でムカつくこともなければ、心から感動するようなこともない。
日々が淡々と過ぎていく。
ふと、高校時代の旧友とプロダクトがきっかけで巡り会う。
子供の頃のようなエゴが表出することもある。
仕事として割り切れないものがある。
見知らぬ初めましての人なら許せることでもゆるせないこともあったりする。
逆に、納品した後に喜んでもらった時に、仕事を通してでは感じられないような心の震えを体験することもある。
日々寄せられる数多くの問い合わせの一つ一つも実はそんな大切な関係性を持った僕たちと同じような人たち。
そんな当たり前のことに思い至る。
だからといって、気合い入れて無理して仕事する必要もない。
ただ、頭の片隅に、そういうこと、ということを置いておくくらいでいい。
施工から2ヶ月近く経った小島君の家は景色に見事に溶け込んでいた。
そこには元々なかった家、なかった庭、なかったドライテック(透水性コンクリート)。
出来立てはちょっと浮いたような感じでも、年月はその景色を当たり前にする。
日々繰り返される生活がそれらを景色に少しずつ馴染ませていく。
そこに暮らす人たちにとっても、それらは普段のなんて事のない景色を構成する一々になる。
意識に登るようなこともなくなる。
水を通していることが当たり前になる。
ぬかるまず、草が生えないことが当たり前になる。
平ら(水勾配がなくて)でおしゃれな家まわりが当たり前になる。
自分の仕事に打ち込むことで、小島君や僕と同じようなあらゆる人たちのために、きっとこんな素敵な仕事が当たり前に広がっていく。
そうすればきっと世界の景色はより美しくなるだろう。
自然と人との歪んだ関係は、「地球に蓋しない」コンクリートテックが世界の当たり前になることで、次第に再生していくことになる。
友人との偶然の邂逅に端を発したドキュメンタリー「旧友からのLINE」シリーズはおよそ1年近い年月をかけて節目を迎えた。
小島君とご家族のいく久しい幸運を祈ります。
そして、そんな小島君や僕と同じようなすべての人たちにも幸運が降り注ぎますように。
この度は誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
宮本充也