2020/10/15
【千葉】「地味に人々を苦しめている雨水流出による隣地とのトラブル」アルファーホーム・小林建材

千葉県船橋市。土間コンクリートで水勾配をつけると道路側隣りの敷地に水が流れ出してしまうため、敷地内で雨水処理をするために透水性コンクリートが採用された。
製造:小林建材(株)、施工:アルファーホーム(担当:前田英二、41m2、100mm厚、4名、1時間30分、ワイエイケイ武田氏応援)。
旧土間コンだと法律違反になっちゃう?(民法218)
敢えて、「新土間コン」として、従来の土間コン「旧土間コン」と区別したいと思う。
「従来の土間コンクリート(旧土間コン)では法律違反になる」
これが今回、新土間コン(透水性コンクリート)が採用された理由だ。
⚫︎参考ブログ:【静岡】《民法218条》「隣地・隣家から流れてくる雨水」オリモ
旧土間コンは水を吸収しない。
雨が降れば路面に雨水は滞留する。
水たまりになる。
それを防ぐために、「水勾配」という傾斜がつけられ、「水は高いところから低いところに流れる」。
今回の現場はその低いところが「お隣さん」だった。
「土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋 根その他の工作物を設けてはならない。」
そう、旧土間コンでは法律違反を犯してしまうことになるのだ。
だから、新土間コン「水を吸収する」透水性コンクリート《ドライテック》の採用となった。
施工経験のあるアルファーホームだったが、慎重を期して熟練者ワイエイケイ武田さんを招聘。
敷設して平らに均された材料の上を30kgプレートコンパクタが追いかけて仕上げていく。
施工After。
新土間コンに埋められているのは照明設備だろうか。
こうした「役物(やくもの)」を設置するとその周囲に応力集中が発生しひび割れ(無害なヘアークラック)が起きやすい。
旧土間コンの場合、そのヘアークラック目立ってしまう。
いかに「無害」とはいえ、見た目が悪いため、クレームに発展しやすい。
一方、新土間コンの場合は水を通すための空隙(隙間)が奏功して「ひび割れが見えない」というミラクルが起きる。
「見えないものは存在していないのと同じこと」
よって、クレームに発展しづらいという知られざる効果も発揮する。
施工After2。
41m2、100mm厚、4名、1時間30分。
旧土間コンであればこうはいかなかった。
法律(民法218条)だけじゃない。
1時間半ではおよそ敷設と均し作業が終わってるくらいで、そこからブリーディング待ちで2〜3時間。
さらには、金鏝仕上げで3時間。
7時間半。
ほぼ、丸1日かかっていたところだ。
もちろん、暮らす人にとっても価値あるだけじゃない。
施工に携わる人たちにとっても新土間コン《透水性コンクリート》は多くの価値を提供できる。
⚫︎参考記事:【静岡】「おい、お前んとこの駐車場、旧土間コンじゃねえか、だっさ」エクスショップ・伊豆植物園
増加する「敷地内で雨水処理」ニーズのソリューション《透水性コンクリート》
インターネットで調べてみると結構ある。
隣地との流水トラブル。
民法218条でも規定されている。
新築だけじゃない。
既に問題となっている宅地のリフォームでの採用もできる。
年々深刻化する豪雨災害。
テレビで報じられる派手な被害の傍で、地味に人々を苦しめている雨水流出による隣地とのトラブル。
知らないだけで、今もギクシャクしている人々。
そんな人たちにとっても解決策をお届けすることができる。
それが、新土間コン《透水性コンクリート》。
今、着々と日本の舗装の常識を変えようとしている。
新土間コンが標準的な土間コンになるにはあと5年程度かかりそうだ。
なるべく時間を早めるために今日も現場ラストワンマイルたちは努力している。
宮本充也