2020/12/27
「コンクリートカッターで切ると切り口がボロボロ取れて来たりするの?」

透水性コンクリート《ドライテック》は見た目カミナリオコシみたいで脆そう。簡単に壊れそう。そんなイメージと打って変わって、アンカーも効くし、ブレイカーではつってもなかなか壊れない。「コンクリートカッターで切ると切り口がボロボロ取れて来たりするの?」 よくある質問に応える。
カッターで切ったらバラバラに壊れそう
⚫︎参考記事: 「アンカーボルトは透水性コンクリートにも効くの?」実験・動画
(出典:カッター目地とは)
コンクリートは表面が平滑だ。
オワコン気味の土間コンの写真である。
コンクリートカッターで切った切り口は見事にピシッと欠けもなく一直線。
この作業は、「目地」と言って、コンクリートの特徴であるひび割れを誘発するために設置される溝だ。
誘発目地。
任意の場所にひび割れを起こす。
そこに溝ができているから、つまり、弱くなっているから、その溝の中でひび割れを起こさせる。
だから、ひび割れも人目に触れない。
通常ドライテックの場合あまり目地を設置することはない。
「0.2mm未満のヘアークラックが発生しても、表面がゴツゴツしていて(骨材の輪郭が浮き出ていて)見えない」
という特性がある。
これ、平滑な土間コンだと、ビシッと発生したクラックはもうめっちゃ目立つ。
一方のドライテックはヘアークラックが発生しても目視・視認できない。
つまり、「見えないもんはないもんと同じこと」という理屈でクレーム対象になりにくい。
だから、施工者は「いいや、誘発目地入れなくて」という感じになっていく。
ただ、それでも、中には何らかの理由でカッターを入れたいということになる。
その際によく寄せられる質問。
「コンクリートカッターで切ると切り口がボロボロ取れてきたりするの?」
は、「アンカーボルトは効くの?なんかボロボロ壊れて効かなそう」という質問と並んで結構寄せられる。
さあ、お待たせいたしました。
お答えしましょう。
映画「透水宣言」の撮影中にコンクリートカッターで切り込みを入れるシーンがあったため検証することができた。
⚫︎参考記事: 「ドライテックの解体・撤去ってDIYできるの?」解体・撤去動画マニュアル(透水宣言)
ポロポロ取れたりしないし、切り口は一直線です。
これ、プロじゃなく、素人(舞台俳優)が作業したカッター目地。
いくら工作とかが好きな菅野貴夫さんとはいえ、初めてのカッター目地。
見事一直線。
参考記事のブログ内でもその内容が描かれているが、「めっぽう硬い」がドライテックの印象だったそうだ。
簡単にはつれない。
見た目脆そうなだけに、そのギャップに心が折れる、だそうだ。
確かに、見た目脆そう。
カミナリオコシ状でハンマーとかで叩くと簡単にぽろっとなりそう。
その見た目で甘く見て始めると、そのギャップに打ちのめされることになるのだ。
ギャップって怖い。
相手が弱そうだからと絡んだら空手有段者でした、みたいな話だ。
「え、こんな可憐な女子なの?」と思ってたら社長でした、みたいな話かもしれない。
実話だ。
エクスショップを初めて訪ねた時の衝撃を思い出す。
ポロポロ簡単に壊れそう。
そう思ってはつってみたら、全然壊れません。
それが、ドライテック。
だから、カッターの切断面も骨材がポロポロ取れたりなんかしません。
目地は皆さんつけないけれど、仮につけたとしても切断面は一直線。
綺麗に切れますよ。
ちなみに、ドライテックはコンクリート。
一旦結晶化(硬化)してしまったら、それは無機質、安定。
物性変化は起きにくい。
だから、樹脂舗装やアスファルトのように時間が経つと骨材がポロポロ取れてしまったり、凹んだりすることはありません。
西日に照らされて溶ける窓ガラスがないのと同じこと。
コンクリートは永遠なるもの。
コンクリートは人口石材。
人が作った、石。
石は変性しない。
それと同じことがドライテックにも言える。
ドライテックには人の想いが込められている。
僕たち現場ラストワンマイルの情熱が注がれている。
そんな、石。
それが、ドライテック。
見た目と違って、結構頑丈ですよ。
宮本充也