2021/05/10
「生コンとSDG's、ESG、金融、グリーン・ボンド、グレート・リセットは関係ありあり」(月刊透水性コンクリートVol.46)

建設・生コン産業の片隅で相互に繋がっていた活動がいよいよ時代の要請に出会い大きな変革を生み出そうとしている。16年の歴史を誇る生コン発の透水性コンクリート・ドライテックはその製造・施工の供給インフラに真価が見出されている。
生コンとSDG'S、ESG投資
環境金融の現在と未来 | RRCS対談座談会 Vol.7 吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る
今回で7回目となったRRCS対談・座談会。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部門 副部長 プリンシパル・サステイナビリティ・ストラテジストの吉高まり氏をゲストに、カーボンニュートラル、ESG、グリーンボンドと、今後の世界で必須となる‟グリーン事業"の本質とその関わり方を考える。
00:00 オープニング
01:45 環境金融の現在
04:05 ESGの本質
12:46 経済合理性の視点
18:00 コンクリート業界における課題
25:05 2050年に向けてグレートリセット
一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会
https://rrcs-association.or.jp/
ご入会お待ちしております!
⚫︎参考記事: 「吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る」RRCS座談会 Vol.7
始まる生コン業界のガラガラポン(グレート・リセット)
⚫︎ドライテック施工実績:https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/case/
17年前になかった景色が今、生コン産業を席巻している。
(透水性)コンクリート舗装の代名詞として生コン発のドライテックが急速にその普及を拡大させている。
僕たち生コン製造者は有り体に言えば、「下請け」「使いっ走り」「練り屋」だった。
ゼネコンや道路会社が指定した配合をただただ受け入れ、技術的な提案や助言を求められることはない。
そして、縦割り・階層を前提とした産業構造(協同組合)があった。
さらに、独占禁止法適応除外。
世界では日本だけ、特異な商習慣が敷かれた産業は、これもまた例になく閉鎖的で保守的だった。
情報は常に内向きで流通し、広く世間に公開されることはない。
階層の底辺(末端)に位置する生コン産業の姿勢は勢い消極的なものとならざるを得ない。
そこでは主体的に物事を想像する姿勢は求められなかった。
そんな生コン産業の末端・辺境にあって、現在変化の予兆を見ることができる。
建設・生コン産業の片隅で相互に繋がっていた活動がいよいよ時代の要請に出会い大きな変革を生み出そうとしている。
(https://www.nr-mix.co.jp/diy/sale/)
辺境の自己組織的な流通チャネルの創造は現在その数600工場を数えようとしている。
現在生コン製造者全体で3200と言われているため、およそ20%近い生コン製造者が草の根でつながり合ったことを意味する。
「他の誰でもない、生コン製造者自身が自分たちの付加価値として生コンを作り出し届ける」
至極当然のことが、これまではそうではなかった。
ただ、インターネットと企業関連携の現代、それがようやっと実現しようとしている。
生コン産業が主体的に、自らの存在価値を形にして発信する。
その化身としてドライテックは16年間生コンラストワンマイルに支えられ普及した。
そして、迎えたグレート・リセット。
カーボンオフセット2050。
あらゆる常識がリセットされる。
これまでを踏襲しない、新しい枠組みを創造する時代が到来した。
ガラガラポン。
まっさらな状態からのヨ〜イドン!
(以下は、座談会からの野口貴文氏のコメント引用)
RRCS・我々の研究会で、例として進めようとしているようなものがありまして。それがちょっとアスファルト業界との対比をしなきゃいけないので例として考えていただければいいんですけど、道路。大手町の周りの道路もだいたいアスファルトで道路舗装はされています。それをコンクリート舗装にしましょうという、というのは実はもう10年ぐらい前からですね、コンクリート舗装のほうが長持ちしますという事と、あとはヒートアイランド現象とかもあって、コンクリートの白い色とアスファルトの黒い色だと、そこに吸収するエネルギー量、熱量が違うので、コンクリートのほうが反射してくれてヒートアイランドも抑制できるのではないかと。さらにそれに加えてコンクリートを透水性にしましょうという。それを更に今のカーボンニュートラルということで、コンクリートは実は大気中の二酸化炭素を長年にわたって吸い続けます。で、固定化していくのでCarbonCaptureをすることでそれを透水性のコンクリートだと穴がいっぱい入っているので、二酸化炭素が通りやすく吸着しやすいということで、アスファルトに比べるとよほど環境には良いものになるのではないかというあたりをいかに説明して評価していこうかという動きをしようとしているんですけど。その辺に対して投資家の面から見てもうちょっとこうやったらいいんじゃないかとか、それともどれぐらいの投資が期待できるのかなど、逆に我々にとっては非常に気になるところなんですがいかがでしょうか。(https://rrcs-association.or.jp/dialogs/21510.html)
カードゲームでいうところの大貧民。
革命が突然起きた。
気づいていない人の方が多いかもしれない。
誰もが鵜の目鷹の目で「中性化しない(CO2と反応しにくい)コンクリート」を追い求めていた時に、ある日突然、「中性化しやすいコンクリート」が是となった瞬間。
それが、今だ。
⚫︎参考記事: 《コラム》「透水性コンクリートの本当の価値は水を透すことではないのかも知れない」
誰も見向きもしないような地方の生コン屋の戯言じゃない。
コンクリート、建築のトップアカデミアの発言としてその認識がシェアされた。
そして、その事実は環境金融のトップランナーの知るところとなった。
起こそう、グレート・リセット。
「生コンとSDG'S、ESG、金融、グリーン・ボンド、グレート・リセットは関係ありあり」
新しい時代に新しい産業を作り出すトップランナーは僕たち生コンラストワンマイル達だ。
僕たちが作り上げてきたこの製造・施工供給インフラはこれからいよいよ活気づき具体的に世界の景色を塗り替えてしまうことだろう。
宮本充也