2020/01/24
【岡山】「被災地真備町の大地を変えろ!」防災・環境・DIY

西日本豪雨災害の被災地真備町で被災者でもある1人の漢が立ち上がった。白石建設常務取締役井形敦人だ。「大地に蓋したくない。もう、2度と濁流に飲み込まれる故郷を見たくない」。そんな漢の小さいけれど重要な第1歩。
参考:https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/123.html
多くの犠牲者が発生した真備町の施工見学会
施工見学会場の裏手には傾いたままの建物が残る。
真備町を襲った濁流の爪痕は今も随所に生々しく見ることができる。
施工箇所は井形の両親が暮らす復興住宅の外構駐車場。
井形自身が道具(レーキ)を手に取り陣頭指揮を取る。
作業プロセスを多くの見学者が熱心に眺める。
敷設と均し(レーキやプラゴテ)が並行して進む。
DIYも可能なほど単純で楽な作業だ。
事実今回施工しているのも全て生コン工場の職員(素人)でありDIYだ。
最終工程はプレートコンパクタによる転圧(締め固め)が仕上げも兼ねる。
それだけ。
説明を加えながらの施工見学会はたった45分で全てが完了してしまった。
施工After。
お施主さんである井形のお父様にもご満足いただけた。
雨はそのまま地中に還元され水たまりができることはない。
エクスショップ(https://www.ex-shop.net/)に提供してもらったカーポートも同時に施工された。
余白の土地では畑や植栽を計画しているそうだ。
こうした地面が増えれば水災害は減少する。
産業界は未だに凝り固まった考えを前提に屋上屋を重ねようとしている。
怒り狂う大自然、水災害。
そんな自然により強い排水設備で対抗する。
10年で飛躍的に深刻化した水害。
この先10年はさらに急ピッチで自然は人類に牙を剥くだろう。
人類はそんな自然にさらに抵抗するのか。
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/90_2.html
求められているのは「対抗」ではなく「調和」だ。
争うのではなく、共に生きる。
共生。
200年前のまだ何にも覆われていなかった時代。
冠水する場所に人は暮らさなかったはずだ。
潤沢な湧水は人々の暮らしを潤した。
今や井戸水や湧水なんか絶えてしまった。
人類が大地に蓋をしてしまったからだ。
降雨すべて「管理」され河川、そして海洋へと廃棄されている。
そのシステムはほんの数十年の出来事。
本来人類は大自然と共にあった。
現代の繁栄はそれを忘れてしまったかのようだ。
取り戻そう。
自然と人が調和する世界。
被災地であり故郷でもある真備町で井形は思考を実践に移した。
自然と人が調和する世界を具現化するコンクリートテック。
透水性コンクリート。
真備町では次なる施工も予定されている。
きっと真備町は災害もなく自然と調和する新しいモデルを僕たちに示してくれることだろう。
井形の眼差しは遠い未来を見つめている。
宮本充也