2021/12/31
「2021年透水性コンクリート(ポーラスコンクリート)書き納め」

来年で17年目を迎えることになる当社としての透水性コンクリート(ポーラスコンクリート)事業は2021年激変を迎えた。2015年に転機を迎え、翌年2016年から始まった「インターネット1st」は6年目を迎え「生コンにインターネットは関係ない」と言い張る人はもはや過去のものとなりつつある。
透水性(ポーラス)コンクリート激変2021
毎月メルマガ配信をしている「月刊透水性コンクリート」を振り返ることで今年1年を総括したい。
当社にとって透水性コンクリートはもともと「ドライウェイ」を意味していた。
その後、紆余曲折あり、パートナー企業フッコーが製造するキーバインダを利用した「ドライテック」に移行し現在に至る。
2015年、とある長野県の一般の方から当時力を入れていなかったHPをご覧になり問い合わせをいただき、数百万円の売り上げが立った。
施主→ビルダー→当社と問い合わせ入り、透水性コンクリート「ドライテック」はむろん静岡から運ぶことはできないため、当社から販売されたキーバインダー(F材)を配合した生コンクリート(ドライテック)はご当地長野の生コン工場で製造され、現場に届いた。
その出来事は変化の予兆と受け止められた。
当時、「生コンにインターネットは関係ない」誰もがそのように信じていた。
理由は、「JIS A 5308」に規定されている1時間半以内の荷下ろしと「独占禁止法適応除外」閉じられた流通系(カルテル、生コン組合)だ。
GAFAの大活躍は僕たち生コン産業には一切関係のないもの。
そのように信じられていたために、インターネットををきっかけとして静岡の生コン屋さんが発信している生コンクリート(ポーラスコンクリート)が実際に売れたことに衝撃を覚えたことを今も覚えている。
翌年2016年から「毎日ブログ3本更新」という変態的な活動をベースとした「インターネット1st」は今年2021年で6年目を迎えた。
月刊透水性コンクリートを振り返ると、2021年は動画コンテンツ元年と振り返ることができそうだ。
「2021年からは《動画》でドライテックを学びましょう」(月刊透水性コンクリートVol.42)
多くの企業や個人がYouTubeやTikTokを通じて情報を発信している。
ここでも「生コンにYouTubeは関係ない」が成り立つはずもなく、当社としては透水性コンクリート施工のタイムループや、関連マニュアル、解説動画、ショート動画を毎月70本程度発信した。
「問い合わせのきっかけ」としてHPやSNS以外にYouTubeなどが目に見えて増えていく。
人々はもはやテレビからではなくYouTubeやSNSをザッピングすることで新しい知識を入手するようになっていた。
続いて特徴的なのは、ESGやSDGs、環境問題とポーラスコンクリートが紐づけられて論じられるようになったことだ。
当社が始めた16年前からわかっていたことだったのだが、水を通すコンクリートは雨水を制御・統制することなく大地の渇きを癒す。
地下水系は再生され、樹木の根系に潤いが届くことで緑が広がっていく。
議論は分かれるところだが脱炭素などのトレンドによりポーラスコンクリート(表面積から中性化の度合いも高いはず)の性能に関して再定義が進む。
2021年はいよいよ辺境のポーラスコンクリート「ドライテック」は公共事業や大型案件をはじめとして広く認知を伸ばすことになる。
そして、6月流通チャネルにも大きな変化が生まれた。
これまで、各地の製造・施工をインターネットで階層のないシームレスな流通系として再定義した取り組みは、あとだしじゃんけんワークスという新コンテンツや無料の施工相談員制度の確立により強化された。
これまで僕たちが預かり知らぬ場所で僕たちが意図しないあまりにもひどい価格が提示され透水性コンクリートを諦めざるを得なかった消費ラストワンマイルに光を当てることに成功したのだ。
そのことで、流通系はガラス張りとなり安心を前提とした流通系が2021年には完成したのだと振り返ることができる。
そして8月下旬、生コンリートや透水性コンクリートを通じて共鳴し合った全ての経験や蓄積が突如有機的に結びつき象を結ぶことになる。
造粒ポーラスコンクリート(オワコン)という全く新しい透水性コンクリートの誕生。
原材料は通常配合の生コンクリート(18-8-20Nなど)にY弾(Re-con ZERO EVO)と呼ばれるキーマテリアルを配合しドラムを高速撹拌することで作られる造粒されたポーラスコンクリート。
8月下旬に着想されてこっち、既に施工実績を数多く経験している。
通常配合であるため、特殊コンクリートを製造したがらない生コン工場でも容易に製造することができる。
つまり、現在3204を数える生コン工場全てから供給が可能ということ。
そして、砂と水をカットした従来のポーラスコンクリートと違い、通常配合を前提としている、ということは言い換えれば、配合自由度が高いことを意味する。
そもそもの想定市場がポーラスコンクリートであるためJIS A 5308の規制を受けることはない。
さらに、現在の想定市場が舗装コンクリートということもあって少量・小ロットのため、独占禁止法適応除外(カルテル)の規制も届きにくい。
製造者が望めばそれこそ、再生骨材や回収骨材、副産物や当今話題のCCUSなど、なんでも実装ができる。
ジオポリマーなどセメントを用いないコンクリートだって今日から明日から製造可能。
当社生コンポータルが標榜する、「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」の化身が生まれたのが今年2021年だった。
個人的にだが、使命として生コンクリートを選んだ僕はこの技術をアウトプットするためにこれまで仕事をしていたのではないかと考えてしまうほどの衝撃的な体験だ。
来年2022の抱負や見通しについては明日元旦に2022書き初めとして表明したいと思う。
今年は情報発信としては動画コンテンツの充実、ESGやSDGsなど社会環境を取り巻く環境の激変とポーラスコンクリートの再評価、あとだしじゃんけんワークスローンチでシームレスな流通系の完成、さらには新プロダクト「オワコン」(造粒ポーラスコンクリート)の誕生と大きく事業は変化した。
生コンポータルでは引き続き来年17年目を迎える透水性コンクリート(ポーラスコンクリート)事業を通じて、「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」を実践していきたいと思う。
身近な皆様には2021年も大変お世話になりました。
ご指導いただくばかりとなりますが、来年2022年も引き続きよろしくお願い申し上げます。
どうぞ、暖かくして、良いお年をお迎えくださいますよう、祈念申し上げます。
僕も今日くらいはのんびり過ごしたいと思います。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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