2020/01/28
【北極の海水は-2℃・続 防凍剤】
「防凍剤を入れると、なぜ凍らないのか?」
耐凍害性を高める対策のひとつに「防凍剤」を入れるという手法がある。
詳しくはこちら→https://www.nr-mix.co.jp/topics/post_500.html
ミキサー車にこの混和剤を後添加するだけで、防凍効果が得られる。
注意点としては、練り水をその分だけ引くのをお忘れなく!(単位水量の内割計算)
適用方法は簡単だけれども、そのメカニズムはどうなっているのか?
メーカーカタログによると、「氷点降下作用によって練り水を不凍性にし、凍害を防止します」とある。
「氷点降下作用」とは、水が0℃でも凍らない状態にすること。
通常、水は0℃を下回ると氷になり、100℃を上回ると気体になる。
逆にいうと、水は0℃以下の環境下では、液体の状態でいられない。
外気温が0℃を下回り、対策をしていないコンクリート内の水は凍結し膨張しはじめる。
それにより、生成している組織を壊してしまう。これが、初期凍害のメカニズム。
そうならないために、練り水に混和剤(防凍剤)を混ぜて「氷点を降下」させる。
日常的な例でいうと、塩水は最大-20℃でも凍らない。(濃度による)
食品を冷やしたい時に、氷点の低い塩水を使うのも一般的な手法である。
道路の凍結防止剤もこの論理。
その場合「塩化カルシウム」などが一般的に使われている。
ただ、生コンクリートの場合、塩分が増えることは好ましくない。
塩化物が多くなると、中の鉄筋が錆びやすい、という別の問題が懸念される。
では、この「防凍剤」、何が主成分なのかというと、
「亜硝酸ナトリウム」「亜硝酸カルシウム」とある。
メーカーカタログによると、
「塩化物を全く含有しない完全無塩化なので、鉄筋腐食の心配がありません」
なるほど、なるほど。
では、「亜硝酸」とは何か?
Wikipediaで調べてみると、
「亜硝酸(あしょうさん、nitrous acid)とは、窒素のオキソ酸のひとつで化学式 HNO2 で表される弱酸である」
ここまでくると、さっぱり理解不能...
とりあえずここまでの「防凍剤」の話しをまとめると、
・練り水の凍結温度を下げて凍害性を持たせる
・とはいえ、塩分など鉄筋に有害なものは混ぜない
・「マノールSS」は一缶 ¥4,000/18㎏(税別)
NR試験室 二見