2020/04/29
「54期(2019年度)決算ならびに55期(2020年度)事業計画について」生コンポータル・長岡生コンクリート
毎年この時期には金融機関向けに決算と事業計画の説明を行なっている。プラント新設より3ヶ年。地域の生コン需要の低迷やプラント関連の特別損失などの支出やリスクは僕たち組織を鍛え、55期からはその試練を糧に飛躍が始まろうとしている。「54期決算ならびに55期事業計画について」。
ZOOMによる決算・事業計画説明会
コロナの影響もあり今年の決算・事業説明会は訪問を避けZOOMでの説明となった。
金融機関など当社を取り巻く関係者が一堂に会する。
決算説明をする池上さん。
見方を変えれば画面共有もできるし、顧問税理士など社外の関係者も参加しやすく、決算・事業計画の説明はより厚みが増しわかりやすい。
新プラントが完成し操業が開始されたのは52期。
そこから3ヶ年(54期まで)出荷量が見事に低落していることがわかる。
この間、
⚫︎地代家賃(年間12,000,000円)※3ヶ年で36,000,000円のキャッシュアウト
⚫︎旧プラント土壌汚染改良(30,000,000円弱)
⚫︎プラント設備他減価償却
などの特別損失が重なり財務を大きく圧迫した。
さらに、54期当初発生した原材料の価格高騰(骨材・セメント)の上げ幅はこれまでにない水準となり、生コン価格への転嫁という急激な変化を強いられた。
3ヶ年、「前進か後退か、挫折か超越か」を選ばなければならない苦しみが続いた。
結果、需要の急落、大型案件の延期(55期へ)、値上げ転嫁の遅れなどが相次ぎ、54期の経営成績は▲2,685千円(特別損失は除く)となった。
一方、54期の最終月で旧プラント土地の賃料収入(年間14,400,000円)が始まり、地代家賃分(年間12,000,000円)の相殺が始まった。
3ヶ年つづいた地代家賃のキャッシュアウトは55期に止まる。
試練に臨みやるべきことは全て実施し、いよいよ55期に向けて反撃の狼煙を上げる。
試練は組織を鍛え苦しみは新しい組織構造を生み出す。55期から始まる飛躍について
51期生コンプラントの新設・移転を実行し長岡生コンクリートは背水の陣を敷いた。
低迷が余儀なくされている地域の生コン需要に臨み、
「これからはインターネット」
180度経営の舵を振り切ったのが新プラント建設の意思決定を行なった50期(2016年2月)頃のことだ。
透水性コンクリートの引き合い(問い合わせ件数)の4期比較。
50期(2016年2月)より生コンポータル(WEBサイト)での情報発信を始めた。
毎日ブログ3本以上
を中心活動としたインターネット戦略の効果は激増する問い合わせ件数に見ることができる。
問い合わせ件数に呼応するように、52期(2016年2月)からの当該部門の案件数の伸びは質的に変化している。
インターネットの効果が見られなかった49期〜51期迄(before)と、52期〜54期(after)が明かに異なることが読み取れる。
WEBサイト「生コンポータル」のPV(ページビュー)数の推移。
こちらも、透水性コンクリートの案件数や問い合わせ数と比例関係にある。
インターネット戦略が順調に推移しているのが分かる。
55期以降何が起きているのか?
54期後半にはモノタロウ、エクスショップなどの新進ネット小売との協業が始まっている。
また、55期5月からは大手ホームセンターでの実験販売(埼玉エリア)が開始される。
5ヶ年目を迎えているインターネット戦略は確実に成果を上げ始めている。
現在生コンポータルが運営する「お庭づくりは0円マッチング」庭コンでは、
⚫︎300生コン工場(供給体制)
⚫︎300施工者(施工体制)
を裏付けとし透水性コンクリートの全国供給を行なっている。
生コンポータルでは60期までにその体制を、
⚫︎800生コン工場
⚫︎4,800施工者
にまで拡充していきたいと考えている。
インターネットの特徴である地域・商圏に捉われない急成長が仮に起きた場合でも、全国に及ぶ供給体制がきちんと受け皿となってボトルネックが生じないように整備していくことが本事業のスケーラビリティを確保する。
そして、直近(2020/04/28)のGoogleアナリティクスのPV(ページビュー)数は18万PVを突破した。
54期たった数日前にようやく10万PVの大台に載せた生コンポータルは1ヶ月足らずでそのPV数を1.8倍に成長させている。
上述のGoogleアナリティクスの軌跡と問い合わせ件数、そして案件数が相互に関連していることからも、今後どのような成長軌道を描くかはかなりの根拠を持って示すことができる。
「いよいよ閾値を迎えた」
生コンポータルは今日現在をそのように分析している。
「のるかそるか」の新プラント設営と移転で背水の陣を敷いてから始まった3ヶ年の嘘みたいな地域の生コン数量の激減。
この現実に、組織全体は変化を余儀なくされた。
「インターネットファースト、透水性コンクリートファースト」
従業員10数名の限られた経営資源を分散させることは命取りとなる。
傍目からはちょっとやりすぎと思われるくらいに180度経営の舵を振り切り代表取締役の僕は経営資源の全てを新市場(透水性コンクリートの全国販売)に貼った。
生コン需要の低迷ででもしかしたら途中で座礁してしまうかもしれない。
キャッシュアウトが続きどこかで終わりを迎えるかもしれない。
インターネット戦略の成長が間に合わず倒産してしまうかもしれない。
代表取締役の僕に限らずこうした危機感は仲間たち全員と共有していた。
試練に臨み組織は大きく変化した。
一人一人のマインドセットも大きく変化したように思う。
「ティール組織」の組織構造と慣行を参考にした、
「自分で自分を評価し、自分で自分の報酬を決める」
も2年目に入っている。
本来の主体性が備わった生コンポータル(長岡生コンクリート)は55期新たな局面を迎える(生コン製造事業を刷新するプロジェクトが進行している)。
停滞を味わい尽くした54期までがいよいよ満了し、脱皮し進化した生コンポータルはそのコーポレートステートメント、
「0.5m3に魂を燃やせ!」
「大地を削らない、汚さない、蓋しないコンクリート」
をモットーに、いよいよ生コン産業の再定義に向けて前進を始める。
「54期決算ならびに55期事業計画について」
※今後四半期ごとに決算説明をWEB上で公表を予定している。
宮本充也