2018/05/21
「ことを作って売る仕事|週刊生コン 2018.05.21」
ものの時代からことの時代と言われるようになって久しい。僕たちが普段使っているあらゆる「もの」。一般市民が当たり前のように享受する「コンクリート」というサービス。建設会社に届けられる「生コン」というもの。あらゆる「もの」の意味が再定義される時代が到来している
5月もあっという間に後半戦。
外に出て活気付く草花を眺めたり、
ぼんやり庭で空を見て過ごす。
その時に感じること。
僕たちはその「こと」に対して何かを求めているだろうか。
明らかに人はものに対してなにかの機能を求めている。
その機能「こと」に対して対価を払い手に入れる。
ものが溢れ人口がピークアウトしものが余る。
象徴的と言っていい生コン産業にとって、
これからの「ものづくり」は明らかに変化する。
世界が経験したことのないほど急激な変化。
その中でどんな「こと」を僕たちは市場に提供すべきなのだろうか。
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_391.html
「砂利敷き防草に新しい常識」
ただ、作って、売ればいい。
それだけでは存在意義は薄くなる。
同じような存在が溢れている市場でその存在価値はない。
これからの時期に恒例行事となる、
「草むしり」
隙間から元気に生えてくる雑草対策。
そんな「困った」ということに「解決策」ということを生コンが提供する。
https://www.nr-mix.co.jp/topics/post_320.html
「生コン使うだけで地球環境に貢献」
コンクリート構造物を構築するために必要不可欠な生コン。
灰色の液体状のそれを無機質な重機や道具を利用して型枠の中に流し込む。
この一連の作業。
華やかではない。
安らぎも癒しもない。
けれど、もしその一挙手一投足が地球環境に貢献していたら。
その生コン打設が草花が育つことに貢献しているのだとしたら。
空がますます青くなることに貢献していたとしたならば。
そんな「こと」を僕たちは届けなければならない。
https://www.nr-mix.co.jp/new_nama/blog/76ict.html
「76委員会での技術発表」
ものづくりが充実してくると学会も充実する。
それは「顧客」ではなくて「権威」への恭順となる。
顧客や市場ではなく縦社会の上位に位置する権威への盲従。
顧客ニーズからかけ離れた内向きなエネルギー。
そこで素直な顧客や至上のニーズを語ることはヘンテコに映るかもしれない。
「建設お父さんを早く家に帰らせてあげたい」
学術振興の場でそんな甘言を弄することは非常識に見えるかもしれない。
ものの性能を上げることが顧客ニーズに届くだろうか?
それは自己満足になっていないだろうか?
僕たちが求めるべきは世間一般の「人」が、
コンクリートを通じて感じる「こと」をできるだけ素敵にすること。
ものが溢れて、人はより精神的な充実を求めるようになった。
ほっと一息ついて空をぼんやり見上げたり、
活気付く草花を「あれはなんという名前だろうか」なんて眺めたり。
さえずる鳥の姿を目をつぶって想像してみたり。
過ごすひとときがより充実することを願っている。
そんな時代のものづくりもそれだけ変化していくべきだと思う。
生コンでいいこと。
ものではなく、ことを作って売る仕事。
宮本充也