2020/02/27
【長岡はアンボンドキャッピング・続 TP上面仕上げ】
「どこの首都が一番お気に召しましたか?」
ヨーロッパの皇室・アン王女。記者からの質問にもそつない受け答え。
「いずこも忘れ難く...」
「善し悪しを決めるのは困難...」 映画『ローマの休日』より
「へぇ、3パターンもあるんですかぁ」
供試体の上面の仕上げ方は、ざっくり3パターンに分けられる。
「キャッピング」「研磨」「アンボンドキャッピング」
→これ、前回の話題・詳しくはこちら https://www.nr-mix.co.jp/topics/tp.html
この仕上げ、強度試験の結果を左右する重要な要素でもある。
「で、どれが一番いいんですか?」すかさず設計の先生は問い返してくる。
素朴かつ抽象的な疑問には、即答を避けるのが賢者の選択。
「いずれも選び難く...、よし悪しを決めるのは困難...」
などとアン王女の如く、言葉を濁しておきたい。
実際のところ、メリット・デメリット共にそれぞれある。
キャッピング:
翌日のキャッピング作業が必要だが、安価にできる。
研磨:
研磨機械が必要だが、コテ仕上げに気を遣わない。
アンボンドキャッピング:
コテ仕上げに気を遣うが、専用の鋼製キャップ・ゴムパッドで簡単にできる。
ごく一例にすぎないが、監督にそんな説明をすると...
「へぇ~、で、長岡さんはどれでやっているんですか?」
この話題、そんなに興味が尽きないのか...?などと思いつつも、
「アンボンドキャッピングですね、うちのプラントでは」(ここは即答)
「これはですね、適用範囲も広くて便利なんですよ」
「10~60 N/mm2までいけますから、大抵はこれで済みます!」
「へぇ、そうなんですか。でもどれが一番だと思います?」
(まだまだ設計の先生、疑問への追及は緩まない...⁉)
はじめは言葉を濁しつつも、思いを断ち切り断言するアン王女。
「いずこも忘れ難く.........。ローマです!無論ローマです」
玉虫色な受け応えより、偏った断言の方が潔い。
「研磨です」「無論、研磨です!」
研磨育ちの自分にとっては、やはり
「キャッピング」「アンボンド」よりも、「研磨」が好きなんだな。
NR試験室 二見