2019/05/07
「生コンは素晴らしい」Amazonがどこにでも商品を届ける何十年も前から
水の次に流通するといわれる、生コンクリート。人が暮らす街だけじゃない。人里離れた山奥や僻地にも必ずある生コンプラント。人口現象、限界集落のこれからにとってきっと生コン工場はその存在感を増すはずだ。
どんなところでも届く生コンの物流網
一部地域を除かない。
Amazonがどこにでも商品を届ける何十年も前から。
水の次に流通すると言われる生コンはどこにでも届いた。
人口1人あたり1年間に1m3消費すると言われる生コン。
現代のコンクリートストック(日本に存在しているコンクリートの塊)はおよそ100億m3。
それらは、
人が住んでいるところ。
人が住んでいないところ。
問わず、運ばれている。
まるで、毛細管のように。
日本中のあらゆるところに届く商品。
Amazonがどこにでも商品を届けるようになる何十年も前から。
生コンはその価値を日本中の隅々まで届けてきた。
なにせ、水の次に必要とされている材料だ。
人の暮らし(暮らしがない場所でもダムや護岸など)を守るために。
隅々に価値を届けてきた。
ここまでの物流網は他に類を見ないのではないか。
そのように改めて思ったのは長岡さくら工場のバックオフィスを主に担当する鈴木さんの素直なコメント。
「そんなところでも届く生コンすごい」
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_664.html
そう、そんな生コンを届ける僕たちはすごいのだ。
日本中の生コン工場を物流のハブと捉える。
バブル崩壊、リーマンショック。
日本経済は一転下り坂。
物的成長と完全比例する生コン生産量も減少に転じる。
ピーク5,000工場あった生コン工場も現在は3,000を切ろうとしている。
以前に比べて社会から僕たち生コンはそれほど必要とされなくなった。
これが、現実だ。
生コン工場への負圧は凄まじい。
作れば売れた時代は今の世代には嘘見たいだ。
損益分岐点の出荷すらままならない。
合併、統合を繰り返してもまだ追いつかない。
それだけ生コンという製造業は魅力を失ったように感じられる。
そんな苦境に立たされている生コン。
それでも、今なお「日本中届かないところはない」実力を保っている。
それは、1時間半以内に荷下ろしをするよう規定するJIS規格やカルテル(独占禁止法適応除外)によるところももちろんある。
それでも、日本中あらゆる地域に生コンがリーチしていることに変わりはない。
その生コンをハブと見立てて生コン工場を起点とした物流網を考えることはできないだろうか。
例えばどんなに山奥の一軒家でも透水性コンクリートが届いているように。
この価値を生コン、もっとそれ以上の価値を届けるハブにできないだろうか。
生コン工場は敷地が広い、住宅密集地ではないところに操業。
地方の生コン工場はいずれも人口密集地から離れた土地で比較的広々とした場所で操業している。
通常の製品(例えばネット通販で購入できるようなもの)に比べると大規模なものを取り扱っている。
いずれの工場にも重機(トラクタショベルやバックホウ)がある。
それぞれ数台、数十台の生コン車が配備されている。
それぞれは、3〜5m3の容量の何か(普段は生コン)を運べる機能を備えている。
例えば、大掛かりな何か(価値、商品)の一時保管場。
生コン以外の何かの製造基地。
液体状の配送。
僕がこのように考えるのはいずれの生コン工場も操業度が下がり経営が以前に比べて厳しくなっているから。
生コンだけ練っているだけじゃない。
例えば僕たちが日本中に届けている透水性コンクリート「ドライテック」のように。
または、これから届けようとしている、「生コン屋さんのジェットコン」のように。
きっと日本中の人が、特に山間部や僻地に住んでいる人たちにとってチャンスになるような。
そんな取り組みは思いつけないだろうか。
どんなところにも届く生コン。
それを支える生コン物流網。
時代が急坂を迎え、これまでただひたすら生コンを練っていればよかった僕たち生コン工場はここで本気でなにかをひねり出す必要があると思う。
生コンは素晴らしい。
そうするのは、当事者の僕たち。
宮本充也