2019/08/08
「水を汚さない生コン」大地を削らない・汚さない・再生する、水を汚さない、CO2を固定化するコンクリート(その2)
水の次に流通する材料生コンはそれだけもっとも水を汚してきた産業と言っても過言ではない。そんな生コンが水を汚さなくなったら?イタリア、ノルウェー、フィンランドで発展している技術が紹介された。
https://www.nr-mix.co.jp/topics/co21.html
生コンが水を汚さない新しい世界は産業の再定義から始まる
ノルウェー最大の生コングループオレンでは元々残コンと生コンスラッジに苦しんできた。
今まさにピークを迎えようとしているノルウェー最大の公共事業。
世界最長を誇るこのトンネルはすなわちオレンにとって大量のスラッジを意味していた。
スラッジを発生させないために、「水で洗わない」。
MAPEIのスウェン氏がオレンに提案したその方法論。
ドライウォッシュ。
それは、通常水で洗うドラム洗浄に、
・再生骨材
・高分子(Re-con ZERO booster)
を適応するというもの。
ドラム内部で洗浄を終えた再生骨材。
高分子の作用でドラム内の水分は吸収されるため、水和反応は止まることで付着モルタルの硬化を止める。
さらに、再生骨材が物理的にドラム内部を擦り磨く(高速攪拌)ため、水が飛ばされた付着モルタルは削ぎ落とされる。
これが、メカニズムだ。
事実プレゼン後のデモンストレーションでは3ヶ月弱、
「水を使わないで」
洗浄された105号車のドラム内部の様子が確認された。
実物を見てわかること。
それは、
水を使わないということは水跳ねがないため、生コン車が汚れにくい、ということ。
担当ドライバーは洗浄を続ける仲間のドライバーを尻目に仕事をさっさと上がれる。
そんなことが実際に理解された。
大地を削らない・汚さない・再生する、水を汚さない、CO2を固定化するコンクリート。
その幕開けは、世界中の生コンの景色を変えてしまいかねないドライウォッシュ(乾式洗浄)から幕を開けた。
(その3につづく)
宮本充也