2020/11/06
「《生コンビニ》キックオフ!」最寄りの生コン工場が生み出す新しい流通
先週10月30日都内で生コンビニキックオフミーティングには個別に声がかかった生コン関係者20名あまりが参集した。全国3200以上を数える生コン工場が、「近くて便利」なさながらコンビニのように施工者やDIYerにとって身近な存在になったら。そんな仮説からスタートした生コンビニキックオフミーティングのレポート。
⚫︎参考記事: 【東京】「近くて便利で安い!」《生コンビニ》キックオフミーティング 2020/10/30・エクスショップ・丸壽産業・陽光物産
生コン工場が「近くて便利」になったなら
生コンビニプロジェクトに参画予定の生コン工場関係者やメーカー、関連企業の方々。
生コン工場が「近くて便利」なコンビニのようになったら。
キックオフミーティングに先立ち僕から参加者の方々に趣旨をご説明した。
「生こんにちは」に続き「生コンビニ」。
我ながら非常にしょうもない駄洒落をタイトルに冠してしまったものだが、中身は真剣そのもの。
日本全国3200を数える生コン工場は基本「生コンを製造して建設現場にお届けする」だけを行なっている。
「もったいない」
そこには、砂利、砂、セメントなどのような汎用資材がトン単位で置かれている。
敷地もそこそこ広い。
日本全国蜘蛛の巣のように生コン供給網は張り巡らされている。
「いけない場所はない」
水道、電気、そして、生コン。
水の次に流通する材料「生コン」製造。
その基地生コン工場がコンビニのように施工者や DIYerにとって近くて便利な資材調達基地になったら。
こんなにいいことってないのではないか。
あなた(施工者やDIYer)とコンビに。
生コンビニプレゼン資料(作成SUMMERHILL奥川氏)。
もちろん、生コン工場にとって「いい」が必要条件。
本当のコンビニみたいに、生コン工場の職員の方々が忙しなく余計な仕事をしなきゃいけなくなる、なんてことになったら土台無理な話だ。
基本、
「生コン屋さん、何もやることありません」
「上げ膳据え膳で、周りが働いて、生コン屋さんであるということだけで生コン屋さんには稼いでもらいます」
となる。
通常の流通の場合、kg単位で流通する砂、砂利をはじめ、大きなロットという強みを生かして生コン工場でいろんな資材が安価で調達可能。
そんな魅力だけではない、生コンビニ。
取り巻くいろんな企業や人が生コン工場を新しい流通のハブ、要衝として利活用する。
そこに新しい市場が生まれて、新しい富が創出される。
キックオフミーティングではそんな企業と人の関係者がプレゼンを行い、多くの議論が交わされた。
生コンマッチングの説明をする丸壽産業前嶋さん。
生コン工場で埋もれているあらゆる有形無形の資産の透明性を高め生コン工場同士の交流を促す。
そんな埋もれている幾つかは、生コン工場にとってだけでなく、施工者や一般の人々にとっても価値のある場合がある。
「生コン屋さんをもっと身近に」
プレゼンは辿々しく何言ってるかいまいちわかりづらかったが、その熱意は伝わってきた。
ポンコツのプレゼンは続く。
僕からわかりやすく説明すれば、生コン工場共通の課題である残コンを、こちらも共通の仕様の型枠(BETONブロック)を用いてコンクリートブロックを作り、インターネットを通じて需要家に繋げる。
生コンも、施工者も、WIN。
先般設立されたRRCS(生コン・残コンソリューション技術研究会)からは事務局の藤井氏も駆けつけてくれた。
「何よりも、生コン工場にとって有益な取り組みに」
そういった意味では、残コンのソリューションや出口創出は不可避なテーマとなる。
飛び入り参加された彼らは物流に携わる企業の渡辺さんと新倉さん。
生コン工場を「商流」のハブだけでなく、「物流」の要衝として捉える。
アイディアはいくらでも無尽蔵に生み出される。
内外からの期待は大きい。
会場や、ZOOMで参加してくれた人たちもその可能性に興奮されているようだった。
エクスショップ、陽光物産、丸壽産業をはじめとする生コン関連企業と生コン工場が織りなすプロジェクト「生コンビニ」。
晴々しくローンチしたこのプロジェクトはきっと生コンを再定義していくことだろう。
70年産業。
保守、閉鎖的な生コンもいよいよ刷新の時を迎える。
それは、生コン産業、単体、自力だけで叶うものではない。
生コンだけじゃない、いろんな円と円が結びついて繊維のように柔軟で強靭なネットワークが生み出されることで、生コン産業は再定義される。
その具体的な形としての、生コンビニ。
建材店か、ホームセンターか。
二者択一で固定的だった流通に新しい風を吹き込む。
「生コンビニキックオフ!」
無尽蔵の可能性を秘めるプロジェクトがいよいよ始まった。
宮本充也