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2020/12/26

「生コン業界がトップクラスのアイドリングタイムを叩き出している」

「生コン業界がトップクラスのアイドリングタイムを叩き出している」

CO2排出抑制。脱炭素。50年発生ゼロ。とかく話題の二酸化炭素はもちろん生コン車のアイドリングタイムにも発生している。「エンジン止めるとドラムが動かないから仕方ない」で済まされるものだろうか。KYB社の技術開発の動向を引き続きウォッチしたい。「生コン業界がトップクラスのアイドリングタイムを叩き出している」。



メーター見た瞬間びっくりです!

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大里ブロック角田さんからの共有。

僕も驚いた。

生コン車って大半がアイドリングタイムなの?!

決して角田さんが燃費に対する意識が低いわけではない。

むしろ、無駄なアイドリングを避けるようにしている意識高い系生コンドライバーだと思う。

⚫︎参考記事: 「現場最前線の工夫が世界に共有される時代」大里ブロック工業

そして、指摘されて気づいた。

1000時間中の650時間のアイドリングをストップできたとしたならば。

日本にはおよそ80,000台の生コン車が稼働していると言われる。

生コン車は生コンというプロダクトの特性上エンジンを切ることができない。

アジテーターと言ってドラムの中の生コンをくるくる回転させることによってフレッシュさを維持する必要があるからだ。

だから、積んでいる最中は基本的にエンジンはかかりっぱなし、ということになる。

80,000台の生コン車の8時間稼働のうち65%の5.2時間/日のアイドリングをもしストップさせることができたなら。

CO2換算で一体どれ程の排出抑制が図られるのだろうか。

今までにない発想だった。


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https://www.kyb.co.jp/technical_report/data/no50j/product_05.pdf



あるじゃん、KYB。やっちゃえ、KYB。

角田さんとあれこれ調べていたら見つかったこの論文。

ミキサ車アイドリングストップシステム開発。

2015年に上梓されているようだ。


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素晴らしい先見の明だと思う。

このお二人の研究者にぜひ接触を試みようと思う。

そして、気づいたことに、大型車よりも3tとか小型車両にとって必須なシステムであるということだ。

なぜか?

大型車(10t)はポンプ車への荷下ろしが大半。

一方、小型車は一輪車への荷下ろしなど、とかく手間と時間のかかる現場への配達がメイン。

そうなると、一輪車でせっせと運んでいる間中もずっとエンジンをかけっぱなしにして恍惚としていなければならない。

角田さん自身も驚いているように、稼働中の生コン車(8t)のおよそ65%が停車している。

つまり、アイドリングしている。

角田さんによれば、担当されている車両は8t車。

ポンプ下ろしとネコ(一輪車)下ろしの割合は半分半分くらいという。

であれば、4tや3tになれば、よりアイドリングタイムの割合は70%とか80%のように大半を占めるようになるはずだ。

その時間のエンジンを停止する。

ドラムを蓄電した電源で回す。

荷下ろしや攪拌を行う。



CCUのアプローチによるCO2固定化コンクリートは先端テックだし見栄えもいい。

ただ、現場ラストワンマイルに身を置く角田さんから教わったことは、「もっと足元見ようぜ」ということ。

稼働中の70%の時間をエンジン停止することができたら。

それも、生コン産業全体としてそれが叶ったら。

おそらく、CO2抑制ももちろん、燃費だって向上し、生コン工場の経営もより改善されることになるはずだ。

CCUの前に、まず、アイドリングストップ。

「生コン業界がトップクラスのアイドリングタイムを叩き出している」

これはどうやら間違いなさそうな現実だ。

これからも、現場ラストワンマイルに寄り添い、生コンイノベーションに邁進していきたいと思った。

ちなみに、知人のKYBの営業担当に連絡を入れてみたが、彼はその存在を知らなかった。

一体、どうなってんだ。

これから、探求が始まる。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士