2020/06/22
「顧客をスタート地点とする」週刊生コン 2020/06/22

「金槌しか持っていなければ、全ての問題は釘に見えてくる」。心理学者マズローが残した格言にもある通り、ものづくりのラストワンマイルには近視眼で独善的になる恐れがある。「生コンを作っている人は生コンを押し売りしようとする」。本来のビジネスは自分をスタート地点にしてはならない。「顧客をスタート地点とする」週刊生コン 2020/06/22。
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ダイソンが顧客に届けたものは生コンではなかった。
透水性コンクリートですらなかった。
それは、ダイソンの顧客に対する愛だった。
思いやりだった。
顧客は本質的に生コン(もの)を必要としているのではない。
「その財を得ることによって経験できる《こと》こそ求められている」。
「金槌しか持っていなければ、すべての問題は釘に見えてくる」
ものづくりのラストワンマイル。
生コン製造者。
ついつい生コンを売りつけてしまう。
顧客が欲しいのは生コンではない。
その顧客の問題を解消する何かとして、それが生コンであればいい。
その生コンが届けられることによって顧客が新しい機会に恵まれるのであれば、それでいい。
「顧客をスタート地点とする」
それはビジネスの本質。
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これもそう。
顧客は土間コンが欲しいのではない。
駐車場に愛車で乗り入れるときに車体を擦ってしまう。
そんな問題を解消してくれる何かが欲しい。
その何かが届けられれば、その何かはなんだっていい。
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土間コンが欲しいんじゃない。
「雑草に悩まされたくない」
「水はけにこまりたくない」
「数年経ってメンテナンスに苦しみたくない」
「平らな舗装で快適に過ごしたい」
僕たちものづくりのラストワンマイルが顧客に届けるべきは「もの」ではなく「こと」。
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顧客が欲しいのは透水性コンクリートの持っている機能ですらない。
究極は「自分がどうなっていたいか」という願望。
その願望を叶えられるものが透水性コンクリートであれば、その名前がどうで誰が作っていて有名か有名じゃないかはもはや問題ではない。
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排水設備があろうとなかろうと知ったこっちゃない。
顧客が求めているのは、
「排水設備に30万円もかからない」
「雑草に悩まされることのない」
「段があって歩きづらくない」
そんな、庭。
自分の製品「生コン」を出発点としてはならない。
常に僕たちのスタート地点は「顧客」であるべき。
当たり前のことだけど、どこかで逆転してしまうこと。
「顧客をスタート地点とする」
いつまでも忘れないでいたい。
宮本充也