2020/07/27
「ドライテックは高いのか安いのか?」週刊生コン 2020/07/27

新シリーズ《土間コンクリート vs 透水性コンクリート》を始め、先週は「ドライテックは高いのか安いのか?」を論じる記事が非常に多かった。いよいよ梅雨も明け庭づくりは最盛期を迎えようとしている。にわかに話題となっているドライテックのお値段について特集。
※トップ画像はhttps://ecruarc.exblog.jp/6202224/より引用
ドライテックは高いのか安いのか?
【青森】「施工は大変でも半日で終わっちゃった!」寒冷地・水勾配・路面凍結
こちらは青森県の現場で初めて透水性コンクリートを施工された施工者の声。
「半日で終わっちゃった」
土間コンクリートなら「確実に1日、時には残業」。
初めて施工したのに半日で十分ゆとりを持って終了。
もう半日をどう使うかは施工者の自由だ。
同時に請けている他の工種に作業員を配置することだってできる。
「たまには海にでもいくか?」
レクレーションに仲間たちを誘うことができる。
Time is money.
【北海道】「全体的の費用だとドライテックの方がコストパフォーマンスは良いです」vsアスファルト
アスファルト王国北海道でもそのコスパは証明された。
タケザワウォールは北海道のドライテック(透水性コンクリート舗装)のパイオニア、地平線を開いた会社。
業界では「黒舗装(アスファルト)は安い」がよく知られているところ。
そして、北海道は戸建て住宅の駐車場舗装ですらアスファルトがよく用いられている地域。
そんなアスファルト王国北海道でもドライテックの方が安いようだ。
「m2単価は一緒でも透水性コンクリートの方が【安い】理由」土間コンクリート vs 透水性コンクリート #3
あらゆる条件で常にどちらかが安いということは土間コン、アスファルト、透水性コンクリート、その他舗装いろいろある中で言い切れるもんではない。
それぞれに生み出されている価値も違うし、その価値にいくらの値札をつけるかは多分に主観によるところだ。
ただ、Time is money.
時間という意味では土間コンに比べれば俄然透水性コンクリートは余剰を生み出すことができる。
例えばこちらの現場。
「2日間早く終わったからコインパーキングに駐車する費用がかからなかった」
これも、コスト。
コストについて改めて真剣に比較してみると見えてくるものがいろいろある。
ものづくりの担い手はどうしても「コスト」を考えないようにしたがる傾向がある。
俺たちの作ってる価値は値引きするようなもんじゃないぞ!
みたいな気概と言うべきか。
ただ、そんなコストを真剣に比較検証してみるとドライテックにはドライテックにしかない価値としてのコストが見えてくる。
「その100,000円は一生を通して享受できる価値につけられた価格」土間コンクリート vs 透水性コンクリート #7
何も条件もなく「100,000円ください」と言われて払う人はいないはずだ。
ただ、「100,000円支払っていただければご家族(4名)をハワイにお連れしまう」と言われたら僕なら喜んでお支払いする。
ある場合には「ドライテックは高い」と言う結論になる。
それでも、売れることがある。
それは、その価格にその顧客がそれだけの価値を見出したから。
そう考えると「高い」とか「安い」と言うのはそれを評価する顧客次第ということがわかる。
胃袋が500円の牛丼を心から欲している状態の人に有名パティシエのスイーツは響かないのと同じだ。
「ドライテックは高いのか安いのか?」
あまりにもありすぎるその質問。
コストとはとても不思議なものだ。
額面価格としては「高い」時もあれば「安い」時もあるというのが事実だ。
ただ、一方の事実として「高くても売れる」ということはその価値はとても抽象的なものであって数値で具体的に測れるものでもないようだ。
そのような前提に立ち僕たち生コンのラストワンマイルが取るべき姿勢。
それは、「顧客が選ぶだけの価値を作り出すこと」となる。
ただただひたすらものを作ってりゃいい時代は終わった。
ものづくりの担い手が今の時代に作り出すべきものは、商品そのものではなくそれを選ぶだけの理由(経験、こと)だ。
そのような姿勢で引き続き情報発信に努めたい。
宮本充也