2020/10/22
【北海道】「アスファルト以外の舗装材を探していた」《北海道の舗装といえばアスファルト》という常識・タケザワウォール

北海道江別市緑ヶ丘。庭コンのサイトを見て施工タケザワウォールに直接連絡が入る。新築4年目「アスファルト以外の舗装材を探していた」ということで透水性コンクリート《ドライテック》が採用される。
製造:大世紀生コン、施工:竹沢ウォール(36m2、100mm厚、3名、2時間)
アスファルト大国北海道で《アスファルト以外》の舗装材
施工After。
完成直後の写真はタケザワウォール提供。
コモディティ化してしまっているアスファルト舗装ではなく、何か新しい舗装材はないだろうかと探していたら見つけた透水性コンクリート《ドライテック》。
ご当地タケザワウォールのご尽力で当地では新たな舗装の選択肢として3年目を迎えている。
3回冬を越すことになるが、これまで特に問題は報告されていない。
北海道は我が国アスファルトの本格的導入の発端の土地
北海道で戸建て住宅のエクステリア・外構や共同住宅、あるいは地面という地面を下を見ながら歩いてみたらすぐにわかる。
アスファルトだらけ。
本州と明らかに違う舗装の慣習にすぐに気づくはずだ。
いろいろな説がある。
諸説紛々、どれもこれも信憑性が薄い。
ただ、実際に、気づかれると思うが、舗装が数年経過しているようなアスファルトはそのどれもが凸凹がひどい。
凍上(とうじょう)が原因とも言われるが、実際に並行して舗装されているインターロッキングブロックも結構凸凹がひどい。
一方で土間コンクリートが極端に少ない。
⚫︎参考記事:「北海道はどうして極端に土間コンが少ないのか pt1」
「北海道はどうして極端に土間コンが少ないのか? pt2」
「北海道はどうして極端に土間コンが少ないのか? pt3」
一説には、国道36号線の大規模アスファルト舗装が我が国における本格的なアスファルト舗装の採用であり、アスファルトが道路舗装の標準となった端緒とされている。
なんでかんで、「北海道の舗装といえばアスファルト(居酒屋でとりあえず生ビールみたいな)」が常識として形成されている。
だから、供給体制もそれなりに充実してきた経緯がある。
もう、戸建て住宅で駐車場と言えば、とにかくアスファルトなのだ。
これは、本州で、「駐車場といえば普通の生コンを使った土間コン」となっているのと一緒。
もっといえば、「名古屋地区では道路舗装は結構コンクリートが採用されている」などのような、地域特性と言ってもいいかもしれない。
北海道の住宅外構のアスファルトがいかに凸凹だろうとも。
使いづらかったとしても。
常識というものは一旦定着して仕舞えば誰もが思考停止に陥ってしまう。
それは、
水はけや水勾配、コケ・カビなどにお施主さんが苦しむとしても。
施工に丸一日かかり体力を大変消耗する土間コンクリートだったとしても。
それが、常識として当たり前のように採用されているのと同じなのかもしれない。
地域特性だからこそ常識を打破するのは比較的簡単かもしれない。
今、生コンポータルでは通常の生コンを用いた土間コンクリートを《旧土間コン》に対して透水性コンクリートを、
《新土間コン》
と位置付け土間コンクリート、あるいは舗装の常識を打破しようと試みている。
そのために必要なのは、
⚫︎情報発信
⚫︎供給インフラ
となり、ブログに関していえば1日に3本以上の記事を更新している。
さらには、毎日セミナーや見学会を開催するなどして製造・施工に協力してくれる人を1人でも増やそうとしている。
「5年以内に新土間コンを土間コンの標準に」
そう掲げて努力をしているが、従来の常識の分厚くて固い岩盤を打ち砕くのにはなかなか時間と労力が必要だ。
関係者全員の実感である。
そういう意味では日本全土の常識を変えるというよりかは、地域特性でアスファルトが標準になっている北海道の舗装の常識を地域限定で変えるというほうが比較的簡単かもしれない。
何より透水性コンクリートの性能がご当地の環境に非常にマッチしているからだ。
コンクリートはアスファルトと違って高耐久・高強度舗装
毎度引き合いに出すのは、アスファルトとコンクリートの物性の違い。
アスファルトは有機物。
コンクリートは無機物。
乱暴に言って仕舞えば、アスファルトは輪ゴムやポリバケツの仲間で、コンクリートは石やガラスの仲間。
外にポリバケツを30年、窓ガラスを30年放置しておいたらどうなる?
これが、如実に互いの違いを説明する一行だ。
アスファルトはたわむし、変性する。
一方、コンクリートはたわまない(想定以上の応力がかかれば割れる)、変性しない(ガラスや石が半永久的に形を止める)。
だから、北海道のような寒冷地で比較的環境の厳しい場所でも有効であることが説明できる。
さらに、水を通す。
雪解け水はすぐに透過していき地盤に吸収されていく。
路面に滞水しづらいため、路面凍結も抑制される。
コケ・カビも同様だ。
タケザワウォールの尽力もさることながら、そもそも寒冷地において透水性コンクリートは相性がいい。
全国の生コン工場、施工者に鼓舞されてたくましく鼓舞される透水性コンクリート。
必ず何処かに土間コンクリートの標準になっていくための糸口、綻びがあるはずだ。
見つけたらそこをとことん叩く。
分厚くて固い岩盤「土間コンの常識」「思考停止」を打ち破る。
そのことで、大地を蓋しない、自然と人が調和する世界が立ち現れる。
生コン産業から社会や環境に貢献する。
決して多くない可能性の1つが透水性コンクリートを舗装の常識にすることだと信じている。
宮本充也